ジョクジャ空港一時閉鎖 ガルーダ航空、オーバーラン 103便キャンセル、4000人に影響
ジョクジャカルタ特別州のアディスチプト空港で1日午後7時40分ごろ、ジャカルタ発ジョクジャカルタ行きの国営ガルーダ・インドネシア航空GA258便が滑走路をオーバーランし、芝生上で停止した。乗員7人・乗客119人は全員無事だった。大雨で滑走路が滑りやすくなっていたことが原因。事故機を移動できず、同空港は2日午後2時すぎまで計15時間閉鎖され、離着陸する計103便がキャンセル、利用客4千人以上に影響が出た。
オーバーランしたのはスカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン)からジョクジャカルタへ向かっていた便で、機材はボーイング737—800。同空港によると、機体は滑走路から約12メートル外れた芝生の上で停止した。前輪が土に30センチほど埋まったため、その場から機体を動かせなくなったという。ジョクジャカルタでは午後5時半ごろから大雨が降り続いており、滑走路が滑りやすくなっていた。
機体の移動や滑走路の安全調査などのため空港が閉鎖されたため、ガルーダ航空はアディスチプト空港で発着する全便を、中部ジャワ州ソロのアディスマルモ空港に切り替えた。1日夜はキャンセルや離陸した空港へ引き返す便が相次いだ。
2日早朝の便の多くはソロからの出発となり、利用客はバスで移動。空港が閉鎖された15時間で計103便がキャンセルされ、約4千人以上の利用客が影響を受けた。
ガルーダ航空広報担当のベニー氏は「土が柔らかく、草地の上から機体を動かすことに時間がかかった」と説明。「利用客の皆さまにご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」と謝罪した。
ガルーダ航空は現在、1日当たり、ジョクジャカルタ発着便を計34便運航している。ジャカルタが10往復、デンパサール3往復、マカッサル2往復、バリックパパンとスラバヤがそれぞれ1往復となっている。
ガルーダ航空は2007年4月、同空港で乗員7人・乗客133人を乗せた便が滑走路をオーバーランし草地につっこみ、機体が炎上、死者21人を出す事故を起こしている。機体が十分に減速していないまま着陸を強行したことが原因だった。
また、アディスチプト空港は過密状態が続いており、代替空港として、同州西部のクロンプロゴ県トゥモンで新空港の建設計画が進められている。1月27日には起工式が開かれ、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が出席した。(毛利春香)