平穏に新年迎える 中国正月、15年目の祝日
イムレック(春節・中国正月)を迎えた28日、インドネシア各地の華人約1千万人らは酉(とり)年の新年を祝った。寺院へ参拝に出かけ祈り、家族と共に平穏な1日を過ごした。
華人は家族一緒に寺院に足を運び線香をあげ祈り、幸せを呼び縁起が良いとされる鳥をかごから放つなどした。寺院の周辺にはお年玉(アンパオ)など喜捨を待つ住民らも集まった。ショッピングモールや空港、駅などでも赤い灯ろうが飾られ、28日にはバロンサイ(獅子舞)が舞うなどお祝いムード一色となった。
さらに北スラウェシ州マナドやバリ州、中部ジャワ州ソロ、西カリマンタン州シンカワンなどでは、イムレックを観光誘致に取り入れ、イベントを開くなどしている。バリ島ではことし約5千人の中国人観光客が春節を家族と共に過ごすなど、外国人や国内の旅行者でにぎわっている。
一方、各地の寺院周辺では警備が強化された。東ジャワ州では警察官や軍人ら7700人が警備にあたり、うち2700人は36の寺院がある同州スラバヤ市内に派遣された。
イムレックが国民の祝日と定められたのは2002年。毎年祝われるようになってからことしで15年目を迎えた。スハルト政権下では華人の文化活動は弾圧され同化政策が続いたが、故アブドゥルラフマン・ワヒド(通称グスドゥル)元大統領が2000年、華人文化を自由化。その後、02年にメガワティ元大統領が国民の祝日として定めた。
ジョコ・ウィドド(ジョコウィ大統領)は28日、ツイッターで「中国正月の新年あけましておめでとう。経済がことしもますます発展していくことを願う」と発信した。ジャカルタ特別州知事選にアホック氏と共に立候補しているジャロット・サイフル・ヒダヤット副知事候補は「アホック氏をはじめとする華人の皆さん、新年おめでとう」と話した。
イムレックから15日目の締めくくりとなるチャップ・ゴ・メ(元宵節)は、2月11日に祝われる。(毛利春香、11面に関連)