国家技能検定を開始 JAVADAが協力 金型仕上げなど5分野

 国家職業訓練認可庁(BNSP)が主催し、厚生労働省所管の中央職業能力開発協会(JAVADA)が協力する金型の製造などの分野の国家技能検定試験が七日、始まった。今月下旬までの間に、五分野でインドネシア金型工業会(IMDIA)の会員企業の日系、地場系メーカーなどの従業員約百人が受験する。
 試験では、人材育成を目的にJAVADAが日本で行う技能検定試験の課題と同じ実技試験を実施。金型加工のフライス盤や、研削盤、金型仕上げ、工場の機械を制御する設備保全、機械検査の五分野で、西ジャワ州ブカシのデンソー・インドネシア社などを試験場として、長いもので数日間かけて行われる。
 前日の六日には試験の開会式が西ジャワ州チカランのコタ・ジャバベカ内にあるプレジデント・エグゼクティブ・ホテルで行われ、JAVADAの川上光信技術振興部次長、IMDIAの高橋誠会長、谷川逸夫事務局長らや今回試験が行われるフライス盤、研削盤の二級、三級、設備保全の二級の受験者約四十人が出席した。
 インドネシアで二〇〇二年から個別企業に対しての社内検定の支援を行い、二〇〇六年からはBNSP主催の国家技能検定試験の支援を行っているJAVADAの川上次長は、従業員が試験に取り組むことについて「従業員のモチベーションが高まり、従業員のトレーニングにもなる。結果的に生産性が上がっていくことにつながる」と語った。

■ 現地化率向上目指す
 IMDIAの谷川事務局長は「試験を通じ人材育成をしていくことで金型製造の現地化を進めることができる」と説明。
 製品を作るための金型を輸入せずに国内で製造することや、工場の機械で問題があったときにインドネシアの従業員が対処できるような体制を構築することが現地化を進める上で重要との考えを示し、「金型の国内での製造ができるようになることで、インドネシアに合った新しい製品を作ることにもつながる」と語った。
 IMDIAによると、インドネシアでの金型の現地生産率(金額ベース)は、IMDIAが発足した二〇〇六年の時点では一九%だったが、昨年には三六%に達するなど急速に増加。今後も人材育成などの取り組みを通じ、金型産業の発展を目指す方針だ。

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