未加工鉱石の禁輸緩和 条件付き 外資に株式51%売却迫る

 イグナシウス・ジョナン・エネルギー鉱物資源相は12日、未加工鉱石の禁輸措置の改定版となる政令(2017年第1号)を11日付で発令したと発表した。国内で製錬する外資企業に対しインドネシア側への株式譲渡や事業にかかる特別許可を義務付ける内容だが、ニッケルやボーキサイトなど全面的に禁輸だった資源にも適用し、2014年に始めた未加工鉱石の禁輸方針を緩和した。 

 改定版の政令で、企業は5年以内に鉱物資源を製錬するための特別な事業許可(IUP・IUPK)の取得が義務付けられる。
 さらに外資企業は生産開始後、10年以内に株式の売却が義務付けられる。インドネシア側の株式保有割合を51%まで高める狙い。保有者は中央政府に限らず、地方政府も含む。政府が難しい場合、国内の民間企業が資金をねん出して株式を取得する。
 インドネシアの未加工鉱石の禁輸措置をめぐっては、鉱石禁輸の細則に当たるエネルギー鉱物資源大臣令(14年第1号)で、14年から未加工鉱物の禁輸が始まった。一方、銅や砂鉄など一部の鉱石に対し、17年までの3年間は条件付きで輸出を認め、製錬所を建設する猶予期間を付与した。新たな政令が発行されなければ、ことしの1月から例外なく完全禁輸措置へ移行する予定だった。
 今後、鉱物資源の輸出量に制限があるのか、との問いに対し、バンバン・ガトット鉱物石炭総局長は「国内供給が最優先。常に輸出量を監視する」と語った。改定版となる政令については、「政府収入の増加や雇用創出につなげるため」(ジョナン・エネ鉱相)と目的を示している。
 これまで米系鉱山フリーポートが主に輸出している銅の禁輸を緩和する可能性がささやかれていた。今回の新政令で緩和方針となったが、「(新政令は)鉱物資源の種類を問わず、例外なく実施する」(同)と強調した。
 日本にとって、ニッケルの主な輸入先はインドネシアとフィリピン、ニューカレドニアだったが、14年の禁輸措置の影響で、インドネシアからニッケルの輸入ができなくなっていた。 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の新井裕実子氏は「緩和があれば(インドネシアが)再度輸入先として検討されるだろうが、今後の動向に注視が必要」と話している。
 ニッケルに関しては多くの中国企業が国内に製錬所の建設計画を発表している。政府の発表を受け、ニッケルの市場価格が下がるなど、今後も波紋を呼びそうだ。(佐藤拓也)

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