急げ西ジャワ・スカブミ開発 ジオパークてこに高速、空港も 10首長が共同声明
西ジャワ州スカブミ県周辺の開発を急げ――。同州内10の県・市が、観光客誘致に必要なインフラ開発を加速させることで協力する声明を発表し、中央政府へ働きかけている。県内の自然公園「ジオパーク」へのアクセスを容易にする高速道路や空港の建設計画も浮上している。
15日にスカブミで行われた「スカブミサミット」に参加した自治体は、西ジャワ州チアンジュール県やスカブミ県、スカブミ市、バンドン県、ボゴール市やボゴール県など。「この地域の渋滞は激しい。西ジャワ州の自治体が集結したことで、中央政府に対するアピールになる」と西ジャワ州副知事のデディ・ミズワル氏が声を上げた。
まず高速道路の建設を加速させる。西ジャワ州ボゴール周辺はジャカルタから週末の観光客が訪れる場所として人気だが、一方通行になる道路があったり、渋滞が深刻だ。さらにデディ副市長は「スカブミ県には、すばらしいジオパークがある。(スカブミ県)スラデ郡に新しい空港を建設して外国人観光客にも来ていただけるようにしたい」と中央政府に働きかけた。
スカブミ県では貴重な地形や地質を持つ自然公園「チレトゥ・ジオパーク」の整備が本格化している。
昨年西ジャワ州政府が正式にジオパークに認定。同州政府は今後、2017年までにユネスコ(国連教育科学文化機関、本部=パリ)から「世界ジオパーク」として認定されることを目指している。ユネスコは15年から世界遺産と同様、世界ジオパークの認定事業を行っている。
ジオパークを管理する第三セクター「国立チレトゥ・パラブハンラトゥ・ジオパーク局」の広報、デディ・スヘンドラさんによると、13年ごろから地質学者を交えて研究を進め、15年12月にジオパーク局を立ち上げた。ことしは12万人以上の観光客が訪れたという。
ジャカルタから訪れる観光客のほとんどは自動車を利用する。デディさんは「来年はジャカルタからスカブミまでの高速道路開発が加速する。高速道路をジオパークまでつなぐ計画もある」と期待している。
西ジャワ州スカブミ周辺には、米国の次期大統領のドナルド・トランプ氏と大手複合企業、MNCグループが提携して同州ボゴール県の350ヘクタールの敷地にホテルやゴルフ場を建設する計画などがある。(佐藤拓也)