ウナギの養殖開始へ 来年2月、バンドン市で 岡山の企業、イ展開目指す

 陸上でのウナギ養殖設備の開発から飼育、加工、販売までを手掛けるジャパンマリンポニックス(本社・岡山市)は2017年2月、インドネシアでウナギの養殖をスタートさせる。同社はインドネシアを「アジアにおけるウナギ事業の中心地」と位置付ける。養殖設備の販売から飼育ノウハウを伝える事業を行っている日本企業は珍しく、今後各地への展開を目指す。

 同社は水槽に電動の浄化機能を付けて水中のえさの食べ残し、排せつ物など魚にとって有害な成分をフィルターで分離、微生物で分解し、陸上で海水を繰り返し使える生産システムを14年に開発。
 コンパクトな水槽や省エネ性が評価され、岡山県内や鳥取県境港市など各地で運用、現在約100万匹のウナギを飼育している。
 ウナギの養殖技術向上や輸出産業としての育成を目指すインドネシア政府から進出の打診があり、ことし5月に同社の内尾義信社長とシティ・ヌルバヤ環境林業相が会談、初の海外進出が実現した。
 17年2月に始まる養殖事業では、西ジャワ州バンドン市のインドネシア教育大(UPI)に容量約2トンの水槽5基を設置、近海で捕れたシラスウナギを3〜6グラムの稚魚に育てる。
 UPIを事業地に選んだ理由について、同社海外事業部の村上善昭さんは「候補地を検討し、気候や設備、セキュリティーの面などを総合的に判断した」と説明する。
 インドネシア養鰻(ようまん)協会との共同事業で、稚魚は現地の養殖業者などに販売する。投資額は非公開。年間30万匹の飼育が可能だという。
 17年1月に従業員をインドネシアへ派遣、現地スタッフにシラスウナギの養殖技術を指導し、4月からの出荷を目指す。「設備を開発、販売する競合企業はあるが、えさやりや水質管理など一貫した飼育のノウハウも伝える活動を行っている会社は少ないはず」と村上さんは話す。
 今後の展望としては、バンドン市以外での事業展開を目指す。成長した状態のウナギや、かば焼きなど加工品出荷も視野に入れる。同社には日本国内でキジハタなどの養殖実績もあり、村上さんは「陸上養殖設備は東南アジアに多く生息する、さまざまな淡水魚の養殖にも利用できる。可能性が大きい地域です」と希望を語った。(平野慧)

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