オム・テロレット・オム om telolet om って何? インドネシア発世界で話題に 「おじさん、クラクション鳴らして」
"オム・テロレット・オム"がソーシャルメディアを騒がせている。もともとは長距離バスが通る際にこの言葉を叫び、運転手にクラクションを鳴らしてもらうという子どもの遊びだったが、クラクションの音とともに無邪気に喜ぶ姿を撮影した動画が広がり火が付いた。世界的なディスクジョッキー(DJ)が曲に取り入れたり、国外で挑戦する人が現れたりと、インドネシア発の世界ムーブメントになりつつある。
オム・テロレット・オムは「おじさん、クラクション鳴らして」の意味。クラクションはインドネシア語でクラクソンといい、テロレットはクラクションが鳴る音を表す。
中部ジャワ州ジュパラで行われていたのが発祥とされ、自分で試して動画を収めようと多くの人がジュパラに詰めかけている。飛行機の着陸時の映像にテロレットの音を重ねた動画も出回るなど、地元メディアは「オム・テロレット・オム現象」と報じている。
テロレットは単に音を鳴らすだけでなく、メロディーを奏でるものもある。BBC(英国放送協会)インドネシアは21日、バス愛好家コミュニティーのザエナル・アリフィンさんのコメントを掲載。ザエナルさんは「クラクションは最初3種類だったが、次第に増え六つになり、創造性が生まれた」といい、長距離バスが10年ほど前から複数のクラクションを備え、いろいろな音色を出すようになったと指摘した。
■ツイッターで1位に
短文投稿サイト「ツイッター」上ではツイートする著名人が続出した。クリスティアーノ・ロナウドさんやリオネル・メッシさんなど名だたる有名サッカー選手、テロレットを取り入れた楽曲をウェブ上に公開したDJスネークさんやアイドルグループJKT48のメンバー。
21日にはツイッター上で最も使われた言葉を示すトレンドトピックで、一時的に1位になった。
ドナルド・トランプ次期米大統領のアカウントには、ツイートの度にオム・テロレット・オムと返信され、オバマ米大統領は「『テロレット』はインドネシアの新たな武器と考えている」とツイートした。
これまで公式なコメントを控えてきたジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は23日、オム・テロレット・オムに言及。「これがソーシャルメディアの力や可能性。シンプルに喜ぶ幸せな姿を見ると、遊びや趣味として大変良いものだと思う」と語った。(中島昭浩)
鳴らし方は規制対象外 中部ジャワ州警察
バス運転手にクラクションを鳴らしてもらう「オム・テロレット・オム現象」で、発祥の地とされる中部ジャワ州のヘルコチョ州警本部交通課長は22日、「クラクションの音量を規制する法律はあるが、鳴らし方や音色は規制対象外」と述べ、運転手の取り締まりは困難との見方を示した。ニュースサイトのテンポCOが23日報じた。
しかし、子どもらが車線内に入って交通の流れを妨げたり、事故に巻き込まれる恐れがあるため、幹線道沿いのパトロールを強化するという。