ペテペテ・スマート登場 冷房、テレビ、ネット完備 来年、17路線で試験運行へ マカッサル市の新乗り合いバス
南スラウェシ州マカッサル市は12日、市内を巡回する新型乗り合いバス「ペテペテ・スマート」の試験車両を発表した。冷房やテレビ、Wi―Fiを備え、低床で障害者や高齢者にも優しい車体。2017年、まず10台を試験的に導入し、将来的には1万台を運行させる方針を掲げた。
同州で乗り合いバス(アンコット)は「ペテペテ」と呼ばれている。新車両の排気量は1300ccで、12人分の座席と立ち乗りを合わせ16人が乗車可能。マカッサル市内のモールや学校、パサール(伝統市場)と住宅地を結ぶ主要17路線で運行する予定。
同市運輸局のアンディ・パイサル交通部長によると、試験車両10台は市予算を投じ、車両の有用性などを周知することが目的。その後は参入を希望する民間企業と市側が車両製造費など資金を含めた協議を行いながら実用化を進める。
運輸局によると、現在ペテペテの運行台数は約3千台。18年当初の導入目標台数は500台に設定し、最終的には1万台まで増やす方針。
12日に開かれた試験車の発表式典で、マカッサル市のモハンマド・ラムダン・ポマント(通称ダニー・ポマント)市長は「太陽光発電による照明など先進的な技術を搭載した。料金は1日1万ルピアで1路線乗り放題にしたい。将来的には市内のペテペテ全てをリニューアルしたい」と意気込んだ。
式典で試験車が市内を巡回した際には、終点の観光地のロサリ海岸に到着後、ラジエーター付近から白煙が上がるハプニングがあったが、式典中止には至らなかった。
ペテペテ・スマートは、ダニー市長が14年の就任後、「住民や旅行者にとって快適かつ安全で、騒音低減につながる」として準備を進め、ことし4月に導入計画を発表した。
計画発表後には、失職を恐れたペテペテ運転手による反対運動が起きたが、市運輸局は「既存運転手の運行許可は凍結したり、取り消したりしない。ペテペテ・スマートの運転手雇用は調査後に方針を決める」と説明、火消しにあたっている。(中島昭浩)