密造酒で10人死亡 東ジャカルタ 1本1万5000ルピアに釣られ
24日夜、東ジャカルタのジャティヌガラで、密造酒を飲んでめまいや吐き気など体の不調を訴える人が続出、27日午後6時までに10人が死亡、4人が治療を受けている。密造酒は1本1万5千ルピアで密売されていたという。
警視庁は密造酒を製造、密売した疑いでネネン・マミ容疑者(50)の身柄を拘束。事情聴取を続けるとともに、共犯者数人の足取りを追っている。一部は西ジャワ州インドラマユに逃亡しているもよう。
調べでは、同容疑者は知人のカキリマ(移動式屋台)店主らと共謀、過去約3カ月にわたり、化学薬品店から購入したアルコールと茶、水、糖分を加えた密造酒を製造。容量600ミリリットルのペットボトルに詰め、1本1万5千ルピアで密売した疑い。日系企業の工場が複数ある東ジャカルタ・プロガドゥンでも売られていた。
ネズミやネコを使った実験や成分分析を行った結果、一般に流通しているものと異なる、特殊な種類のアルコールが使われていたことが判明。詳しい検視のため、被害者10人の遺体はクラマットジャティ警察病院に送られた。
密造酒をめぐっては、ことし2月にジョクジャカルタ特別州で26人が死亡する事件が発生、各地で取り締まりが行われている。
今回の事件について、南ジャカルタのセノパティに住むムスリムのアグンさん(51)はじゃかるた新聞の取材に対し、「(密造酒は)ビンタンビールなどと違って、おいしくもない。ムスリムとしては安いまがい物の酒に釣られて、楽しさを感じるような人には怒りを覚える」と話した。(平野慧)