海洋国家へ、技術呼び込む JIエキスポ マリンテック展示会始まる
海洋、船舶に関わる技術、機器などを紹介する展示会「マリンテック・インドネシア」が23日、中央ジャカルタのクマヨラン国際展示場(JIエキスポ)で始まった。国内外から約100社が出展している。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が「海洋国家構想」を掲げるなか、外国の企業と地場企業のビジネスマッチングを図る。25日まで。
シンガポール、中国からは約10社ずつが参加。韓国パビリオンも、出展企業をまとめたパンフレットを用意するなど売り込みに力を入れる。
中国で唯一の船舶検査専門機関で、大阪にも分社を置く中国船級社(CCS)のブースには海事調整省の高官など政府関係者も多く訪問する予定だという。
同社のシンガポール支社のチェン・ハオ・テクニカル・マネジャーは「中国国内の海運業は底を打っている状態にある。活路を開く意味でインドネシアはとても魅力的な市場だ」と説明。「中国の船舶部品は日々進歩している。定評のある日本や外国製と比較して安価で、品質も劣らないことを証明し、マーケットシェアを伸ばしていきたい」と意気込む。
インドネシア市場開拓を目指す郵船商事(本社・東京都港区)は、市場で競争力のあるポンプや船舶内に入っている水量の計測用装置などを紹介する。
同社の岡野光海外舶用営業チーム長は「船舶の部品は品質が悪いと積載物が海中に流れ、汚染にもつながる。価格はもちろんだが品質を重要視しなければならない」と語る。
「現状での需要は低いが、インドネシア国内にはもっと船が必要なはず。船舶を外国に発注するのではなく、国内で積極的に造るように、政府の政策が進むことを期待したい」と話した。
国営港湾ペリンドのブースでは、通信機器などを手がけるクレスナ・アディカルサが、海上での通信機器や技術について解説、海外からの来場者にアピールした。
海運機器などの商社を経営するダニエルさんは英国から来イした。英国や日本など先進国が抱える課題について「人口減少と共に、国内海運業の内需が減退して行く点は同じだ。現在の技術や市場での存在感に満足するべきではない。新興国への進出強化は計画的、かつ積極的に進めるべきだ」と話した。(平野慧、写真も)