住民ら用地収用に反発 西ジャワ州の新空港建設 軍・警察の鎮圧で16人負傷
クルタジャティ新空港建設が進む西ジャワ州マジャレンカ県クルタジャティ郡で17日、建設用地収用に反対する同郡スカムルヤ村の住民らが、測量作業のため入村した国土庁(BPN)職員らに投石する騒ぎがあった。警官と国軍兵士計約1500人が催涙ガスなどを使って鎮圧を試みた結果、住民16人が負傷し、警官数人も投石で負傷したという。
同空港(総面積約1800ヘクタール)は、2013年設立の州営西ジャワ国際空港(BIJB)が15年から建設を進めている。18年の開業後は、年間500万人の利用が見込まれ、工業地区や宅地を含めた同州東部開発の中心となる予定。
スカムルヤ村には滑走路(全長3・5キロ)の一部が建設される予定。同村の総面積735ヘクタールの約7割、500ヘクタールが収用される見通しだが、住民側は収用の補償額が公表されないことに不満を募らせているとされる。
収用へ向けたBPNの測量作業が同村で始まったのは8月。17〜18日は、2日間で382カ所、36・6ヘクタールの測量を終える予定だった。
地元メディアによると、住民らは17日朝、村の入り口でBPN職員らの入村阻止を試みて、警官隊と一時にらみ合った。午前9時ごろに測量が始まった後は、BPN職員に同行したマジャレンカ県のストリスノ知事らとの交渉を要求。午後0時半ごろからは、爆竹を鳴らしながら投石を始めたため、警官隊と兵士らが催涙ガスで鎮圧に当たった。
鋭利な武器や爆竹を持っていた住民6人が拘束されたが、間もなく全員が釈放された。インドネシア農業協同組合(HKTI)西ジャワ州青年議会のイジャン・ファイサル事務局員は地元メディアに対し「村民らは州政府に土地収用の補償額開示を要求してきた。開示されなければ問題は解決されず、今後も引きずることになる」と語った。(中島昭浩)