冠水防止策を再指示 高速道の大渋滞受け ジャサマルガ

 西ジャワ州ブカシ県のチカンペック高速道路で13日、冠水による大渋滞が再発した問題で、国営高速道路管理・運営主体のジャサマルガは14日、冠水の原因となった貯水池を管理する民間企業に対し、防止策を早急に進めるようあらためて指示した。 

 この企業は、複合開発地域デルタマスを運営するプラデルタ・レスタリ。ことし2月、今回と同じ場所で冠水が発生した後、再発防止作業を進めてきたが、対策が追いつかず再度指示を受ける事態となった。
 ジャサマルガの広報担当者は「再発防止のため、合意内容を履行し、今すぐに作業を進めるよう(プラデルタ・レスタリ社に)要求した」と述べた。
 2月の冠水は、同高速道路37キロ地点(東ジャカルタ・チャワン起点)沿いにあるラワ・ビノン貯水池と、同41キロ地点(同)沿いにあるアラム・サリ貯水池の氾濫が原因だった。
 これを受けてジャサマルガは再発防止策を講じることでプラデルタ・レスタリ社と合意。防止策は▽アラム・サリ貯水池の面積を4ヘクタールから9ヘクタールに拡張▽同貯水池からチベエ川への排水路を建設▽ラワ・ビノン貯水池が正常に機能するための整備?両貯水池の水位上昇を防ぐための一時的な排水路設置――の四項目だった。
 合意を受け、同社はこれら防止策に着手。しかし、13日の冠水再発時で完了していたのは、アラム・サリ貯水池の拡張工事だけだった。
 同社のヘルマワン・ウィジャヤ社長は15日、地元メディアのコンパスコムに対し、「(排水路建設など)工事の許可を自治体やジャサマルガから取得中で、再発防止策をないがしろにしたつもりはない。できる限り早く作業を完了させたい」と弁明した。
 複合開発地域デルタマスのオフィスで働く自動車部品メーカー幹部によると、13日の冠水と大渋滞発生で「商談に来た取引先がジャカルタに戻るのに5時間以上かかったり、従業員の退勤もままならない状態になった」という。
 洪水対策について、この幹部は「貯水池などの排水設備だけで洪水が起きなくなるとは考えにくい。地域開発のあり方を踏まえ、プラデルタと行政、地域で働く企業が一緒に考えなければいけない問題ではないか」と疑問を呈した。(中島昭浩、平野慧)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

クナパくんとブギニ先生NEW

私のじゃかるた時代NEW

編集長の1枚NEW

キャッチアイ おすすめニュースNEW

インドネシア企業名鑑NEW

事例で学ぶ 経営の危機管理

注目ニュース

マサシッ⁉

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

有料版PDF

修郎先生の事件簿

メラプティ

子育て相談

これで納得税務相談

おすすめ観光情報

為替経済Weekly