英国人元銀行員に終身刑 イ女性2人殺害の罪で 香港高裁

 香港の高等法院(高等裁判所)は8日、2014年にインドネシア人女性2人を殺害したとして、殺人罪に問われた元銀行員の英国人、ルリク・ジャティング被告(31)に終身刑を言い渡した。有罪判決を受け、インドネシア国内の遺族は、残された子どもの養育費や賠償金の支払いを求めるコメントを出した。

 AFP通信によると、ジャティング被告は、ケンブリッジ大卒で米金融大手バンクオブアメリカ・メリルリンチ勤務していたエリート。
 14年10月26日、バーに勤務するインドネシア人女性のスマルティ・ニンさん(23)を湾仔(ワンチャイ)地区の高級アパートメントにある自宅に連れ込み、3日間にわたって拷問した後に刃物で殺害した。さらに、スーツケースに遺体を入れ、バルコニーに隠した。犯行時、同被告はコカインとアルコールを摂取していた。
 さらに同31日には、やはりバーで知り合ったインドネシア人女性のスヌン・ムジアシさん(26)を自宅に誘い込み、刃物で喉を切って殺害した。その後、被告が自ら警察に通報し、事件が発覚した。
 2週間にわたった公判では、被告がアイフォーンで撮影した2人殺害時の録画映像が証拠として提出され、法廷内で再生された。 終身刑判決を言い渡した高等法院のマイケル・スチュアート・ムーア判事は「最も身の毛のよだつ事件の一つに数えられる。極めておぞましく、通常の人間の想像を超えている」と述べた。弁護人によると、同被告は反省の態度を示し「適切で公正な罰」と判決を受け入れているという。
 終身刑判決の知らせを受けたスマルティさんの母スラトミさんは、地元メディアに対し「香港では最も重い罪で満足している」と話した。今後、被告には補償金としてスマルティさんの子ども(7)の養育費支払いを求めるという。スヌンさんの母ジュミヌムさんも有罪判決を下した判事に感謝するとともに「賠償金を支払って欲しい」と語った。(中島昭浩)

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