インフラ3件採択 事業化調査を支援 バンドン鉄道・ETC設置・環境配慮型都市 経産省

 経済産業省は一日、新興国でまだ具体化されていないインフラプロジェクトの事業化を進めるための事前調査に対し資金拠出する案件を採択、インドネシアを対象とした案件はジャカルタ―バンドン間を結ぶ鉄道の整備の調査など三件が選ばれた。同省は一件に付き最大で五千万円の調査費用を拠出し、日本の企業がインドネシアの省庁などと協力して事業化したときの費用や経済効果の調査を支援する。プロジェクトの計画立案から案件にかかわることで、将来的に日本の技術の導入やインフラの管理・運営を行うことを狙う。

 インドネシアを対象とした案件は八千代エンジニヤリング、社団法人海外鉄道技術協力協会のジャカルタ―バンドンを結ぶ鉄道整備調査、野村総合研究所、西日本高速道路などのチカンペック高速道路の料金所のETC導入可能性調査、日本工営、千代田化工建設などのジャカルタ近郊都市のスマートコミュニティー調査の三件。全部でカンボジア、ミャンマーなど六カ国十件が採択され、インドネシアの三件が最多。
 インドネシアを対象とした案件の選定は、日イが協力して二〇一〇年末からインフラプロジェクトの開発の協議を行っている首都圏投資促進特別地域(MPA)構想で必要性が高いと検討されている案件であることが評価の基準として設けられた。
 MPA構想で日本の官民は、事業化にいたる前の事前調査などの段階からインフラ開発を支援している。日本は官民一体で事業化を支援することで、インフラ受注を目指す。大型プロジェクトでは、西ジャワ州カラワン県チラマヤが建設候補地の新港湾やカラワンが候補地の新空港などの調査を行っている。
 鉄道整備調査では、国鉄が運営する既存の鉄道よりも速い鉄道の整備を想定。運輸省、国家開発計画庁(バペナス)と協力し、ルートや総工費、適した鉄道の仕様、経済効果などを調査する。
 高速道料金所のETC設置調査では、渋滞解消の効果などを検証。調査を行う西日本高速などは、すでに車両にセンサーを付けて交通情報を収集する「プローブ」技術による調査を実施し、チカンペック高速道の西ジャワ州ブカシなどの料金所で顕著に渋滞が発生していることを確認。日本でETCを導入した結果、料金所での渋滞がほぼ解消した経験を基に、ジャサマルガ社とチカンペック高速道でのETC導入の効果を調査する。
 低炭素排出の環境配慮型都市スマートコミュニティーの調査では、公共事業省などと協力し、新空港の建設候補地として挙がっている西ジャワ州カラワンなどを対象に、次世代送電網(スマートグリッド)などの低炭素排出に貢献する技術の導入の効果などを調査する。
 各調査では、インドネシアの予算が十分に確保できないことを考慮し、官民パートナーシップ(PPP)を通じた資金調達の検討も行われる。

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