涙ながらに無実訴え 最終陳述でジェシカ被告 コーヒー裁判
毒入りコーヒーでワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)を殺害したとして、ジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(28)が計画殺人罪に問われた裁判の第28回公判が12日、中央ジャカルタ地裁であった。弁護側の最終弁論が行われ、同被告は「(ミルナさんの)飲み物に毒を入れていない」と涙ながらに無実を訴えた。
前回公判で禁錮20年を求刑されたジェシカ被告の最終陳述は午後1時10分ごろから12分間続いた。法廷には被告のすすり泣く声が響き、つられて涙をぬぐう傍聴人もいた。
同被告は「コーヒーのグラスには何も入れていません」と毒殺を完全否定。用意した書面に視線を落としながら「ミルナは私の良き友達。ユーモアがあって創造的で賢い人だった。これからも私の心の中で良き友人として生き続けます。ミルナは私が毒を入れていないことを知っています」と被害者との友人関係を強調した。
逮捕後の捜査については、警視庁刑事局長の名前を挙げて「(局長は)自身の地位を落とすリスクを恐れ、私に容疑者になるよう話をしてきた」と自供を促されたことを明かした。「罪を認めれば、判決は禁錮7年ほどですみ、終身刑になることはないだろう」とも持ちかけられたという。
さらに「殺人犯として世間や親しい人たちからやゆされ、家族にとっても悪夢の始まりだった」と逮捕後の苦悩を口にする一方で、「今でも私を信じ、支えてくれる人たちに感謝します」と語った。
最終弁論のため、弁護側は4千ページにもなる書面を用意した。検察、弁護の双方から召喚された証人の証言を照らし合わせながら、弁護団代表のオットー弁護士らが時折声を荒げて無罪主張を展開した。最終弁論は、13日も続けられる。
前回、5日の第27回公判で検察側は禁錮20年を求刑し、判決は20日までに言い渡される予定。(毛利春香、写真も)