禁錮20年を求刑 コーヒー裁判で検察側 計画殺人罪

 ことし1月に毒入りコーヒーでワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)を殺害したとして、計画殺人罪に問われたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の論告求刑公判が5日、中央ジャカルタ地裁で開かれ、検察側は禁錮20年を求刑した。次回公判では弁護側の最終弁論と被告人の最終陳述が行われ、20日までに判決が言い渡される運び。

 論告求刑は午後1時ごろ始まり、約8時間半後の同9時半すぎに終わった。検察側の有罪主張を無言で聴き続けたジェシカ被告は求刑後、弁護人らに囲まれて法廷を後にした。
 検察側は論告で、ジェシカ被告が猛毒のシアン化ナトリウム約5グラムをミルナさんのコーヒーに入れ、殺害したと指摘。コーヒーを飲んだ直後に死亡したミルナさんの胃は炎症を起こし、微量のシアン化ナトリウムが検出されたと毒殺の根拠を説明した。
 さらに、警察の捜査結果や遺族、友人、専門家らの証言、監視カメラの映像を基に(1)事件現場となったカフェを事前に訪れテーブルを予約した(2)予約時間の約1時間も前にカフェを再び訪れ、自身やミルナさん分の注文、支払いを済ませた(3)シアン化ナトリウムをコーヒーに入れるため、紙袋をテーブルの上に置いて手元を隠した(4)ルナさんが気を失った直後、応急措置を取ろうとしなかった――などと指摘、計画的にミルナさんを毒殺したと主張した。
 動機に関しては、「恋人と別れるようミルナさんからアドバイスされたため」などと恋愛感情のもつれを挙げた。
 コーヒーを入れたバリスタやテーブルまでコーヒーを運んだ店員による犯行だった可能性については、カメラの映像に不審な動きがなかったことを理由に否定した。
 起訴状によると、ジェシカ被告は1月6日、中央ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」1階にあるカフェ「オリビエ」で、ミルナさんのベトナム・アイスコーヒーに毒を入れ殺害したとされる。
 コーヒー毒殺事件の裁判は6月15日に始まり、この日が第27回公判。事件の当事者が富裕層の若い女性で、謎の多さも国民の耳目を集める要因の一つとなった。関心の高さを示すように、公判には毎回のように主婦ら多くの傍聴人が駆けつけた。(毛利春香、写真も)

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