無料レジ袋 一部再開 有料化の法整備遅れ 小売業協会が決定
プラスチックごみの削減に向けたレジ袋有料化が試験導入されて7カ月以上がたった。法整備が遅れ、政府がいまだ義務づけていないことを受け、インドネシア小売業協会(アプリンド)は有料化を廃止すると決定。大手コンビニなどは1日から、レジ袋を再び無料にしている。
レジ袋の有料化は「ごみの日」の2月21日、環境林業省が主導して、ジャカルタ特別州など全国23都市のスーパーやコンビニで試験的に始まった。準備期間が足りないとして一部自治体が導入を見送ったほか、実施が各事業者に委ねられたため、一部にとどまった。
同省は当初、約3カ月間試験的に有料化し、レジ袋の削減効果を検証するとしていたが、義務化されないまま試験期間が延長されていた。
これを受けてアプリンドのロイ・マンデイ会長(49)は9月30日、「10月1日から、すべての小売店で、無料レジ袋を再開することに決めた」と発表した。環境林業大臣令など、法的拘束力を持つ規定が発令されるまでは、無料にするという。
ロイ会長は、法的拘束力がないままレジ袋を有料とすることに対し、消費者から批判が寄せられていたと説明。「メディアや店舗で(有料化の)周知を図ったが、消費者の声はやまなかった」と無料化を決めた理由を述べた。
アプリンドの決定を受け、ジャカルタ特別州内の大手コンビニ、アルファマートやインドマレットでは1日以降、これまでの200ルピアから無料配布に変更している。
4日午後、中央ジャカルタのワヒッド・ハシム通りにあるインドマレットでは、ごみ削減を呼びかける掲示物が外され、レジ袋を無料にしていた。利用した主婦のメタさん(30)は「たくさん買い物をすれば200ルピアを出してでも袋を買うけど、無料にこしたことはないわね」と歓迎した。
ロイ会長は「無料化するかこれまで通り(有料)とするかは、会員企業に委ねている」と述べており、4日現在、有料レジ袋を販売しているスーパーもある。
■有料化で3割減
有料化は賛否両論を呼ぶ一方、ごみ削減に一定の効果を上げている。各小売店がアプリンドを通じて環境林業省に報告した調査結果によると、試験期間の3カ月間で、レジ袋の使用が25〜30%減った。また、87.2%の消費者が有料化を支持しており、そのうち91.6%がマイバッグを持参したいと答えているという。
環境林業省のウジャン・ソリヒン・シディック商品包装副局長は「できるだけ早く、年末にはレジ袋有料化に関する規定を出すつもりだ」と話している。(木村綾、写真も)