水インフラ技術でセミナー 「イ独自の水質改善体制を」 AOTSが開催

 海外技術者研修協会(AOTS)は大阪府と共同し、三十日、三十一日の二日間、新成長戦略に基づく、インフラ・システム輸出関連分野と製造業の分野の人材育成を目的とした「経済産業人材育成支援研修事業」の取り組みの一環として、「水インフラ技術・運営管理研修コース」を実施した。(高橋佳久、写真も)

 インドネシアでは経済発展に伴ない、水質汚染が進んでいることから、産業廃水処理の技術や施設の運営管理能力の向上を図ることを目的として開催され、環境問題への関心が高い地元企業から二十五人が参加した。
 また大阪府は、日本の高度成長期に発生した公害問題への対処のノウハウを持っていることや、ビジネスとしても環境関連企業が成長してきた背景があることから、講師として、大阪府商工労働部商工振興室経済交流促進課の南哲朗課長補佐と関西環境管理技術センター環境技術部調査課の清水一樹係長らを招いた。
 参加者らは、南ジャカルタ・スミットマスの日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所で、二日間を通して日本の水質汚染克服の歴史や、排水規制、環境アセスメントに関する企業の取り組みに関する講義などを受け、三十一日、研修のまとめとして、水質改善のためのアクションプランを作成した。
 五組に分け、講義の内容を生かし、汚泥の有効利用に対する提案や、日本の企業が得意とする膜技術の利用などを取り入れた提案などが発表された。また、環境対策には外部費用が必要となるために、経営者側への働きかけが重要とするチームもあった。
 研修の最後で南課長補佐は「膜技術などは有効だが、日本の製品を利用する場合は人件費の面から、高額になるために、インドネシア独自で導入できる体制を今後整えるようにして欲しい」と話した。
 水処理関連の企業に勤めるザキさんは「排水処理に関しては自分たちの経験のみでやってきたが、こうして体型的に学べる場は重要。会社に戻り、上司や同僚と知識を共有したい」と講義の内容に満足した様子だった。
 AOTSは来月、ASEAN(東南アジア諸国連合)やインドから水質関連企業を日本に招致し、人材育成に力を入れていく方針だ。

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