租税特赦、申告ピークに 条件緩和で弾み シンガポール批判も

 タックス・アムネスティ(租税特赦)への申請者がピークを迎えている。通常、税率25〜30%の法人税や所得税を同2〜4%で納税できる期間は9月末で期限を迎える。政府は法令を改正し提出書類の条件を緩和、期限までの申告増加を狙う。インドネシア人の海外保有資産の80%を占めるとされ、租税特赦の要となるシンガポールとのやり取りも活発になっている。

 財務省税務総局の25日時点の統計によると、租税特赦法を適用する納税者資産の合計額は1770兆ルピア。内訳は、国内からの申告額が1198兆ルピア。海外からが480兆ルピア。申告後国内に還流する資産が92兆6千億ルピアだった。
 租税特赦による政府の税収目標165兆ルピアに対しては、42兆2千億ルピア(25.5%)だった。租税特赦の目標達成を疑問視する声が上がる一方で、9月以降、財閥や有名実業家の申告が続き申告額は急増。9月だけで1620兆ルピアまで積み上げた。
 産業界からは、税の恩赦で2〜4%と最も低い税率が適用される9月末までの期間の延長を求める声が上がっていた。これに対し、政府は提出書類を簡素化する法令を出し、資産報告書のみでも申告できるよう対応する。
 金融庁(OJK)のムリアマン・ハダッド長官は21日、シンガポールの大手銀行、オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)、DBSグループ、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)のインドネシア支店の関係者を呼び、租税特赦の実施状況を確認、シンガポールの本店に租税特赦の積極的な活用を支援するよう働きかけた。
 租税特赦の運用をめぐっては、シンガポールの銀行で同国に資産を置くインドネシア人の租税特赦申請があった場合、申告者の顧客情報を警察へ報告することが義務付けられた、といった報道が流れ、政府間のやり取りにまで発展。事態は収拾したが、ツイッターでは国民から租税特赦を妨害するシンガポールの行動に対し批判的な発言が相次いだ。
 シンガポールにとっては、インドネシア人の資産流出は大きな痛手となる。スリ・ムルヤニ財務相が財務省の見解として、インドネシア人が海外に持つ資産を計3250兆ルピア(約2500億ドル)と見積もったうち、シンガポールに2600兆ルピア(約2千億ドル)相当あるとの試算を公表した。
 この試算が正しければ世界銀行によるシンガポールの2015年国内総生産(GDP)2927億ドルに対し68%に達する。
 金融庁のムリアマン長官は23日、シンガポールの3行を招集後の2日間で同3行から国内に還流した金額が1兆2千億ルピアに達したと説明。「シンガポールからの資金環流の潜在性はまだまだ高い」と期待を示した。(佐藤拓也)

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