毒殺説を真っ向否定 コーヒー裁判で弁護側証人

 猛毒のシアン化ナトリウム入りコーヒーでワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)を殺害したとして、殺人罪に問われているジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の第23回公判が21日、中央ジャカルタ地裁で開かれた。弁護側がオーストラリアから召喚した毒物学専門家は「分析した限り、(ミルナさんは)シアン化ナトリウムでは死亡していない」と証言、毒殺説を真っ向から否定した。

 この毒物専門家はマイケル・ロバートソンさん。ミルナさんが口にしたコーヒーの含有物や遺体の検視結果を分析したという。
 証言では、死亡から約70分経過したミルナさんの遺体から、シアン化ナトリウムが検出されなかった点を取り上げ、「致死量を飲んでいれば、心臓や脳など体内のどこかに毒が残る。シアン化合物を飲んだことを示す証拠はない」と指摘した。
 死後3日後に行われた司法解剖で、胃から微量のシアン化ナトリウムが発見されたことについては、「人体に残っていても自然な量だ。毒殺に結びつけるには少なすぎる」と説明。5日の第18回公判に召喚されたオーストラリアの法医学専門家、ベン・ベン・オンさんとほぼ同様の見方を示した。
 遺族の反対で、司法解剖の対象が胃など一部の臓器だけだった点に関しては、「ミルナさんの死因を正確に判断するには、司法解剖をきちんと実施する必要があった」と語った。
 ロバートソンさんによると、シアン化ナトリウムを経口摂取した場合、一般的な致死量は体重1キロ当たり約2.9ミリグラム。体重60キロの場合、約180ミリグラムという。
 外国人証人の召喚は、ロバートソンさんが2人目。1人目の法医学専門家のオンさんは証言を終えて出国する際、出入国管理法違反の疑いで事情聴取を受けた。このため、この日の公判冒頭では、裁判長がロバートソンさんの滞在ビザの種類について問題がないかどうかを確認した。(毛利春香、写真も)

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