租税特赦 申告500兆ルピア超え 9月以降急増 有力実業家ら続々

 9月に入りタックス・アムネスティ(租税特赦)を活用した納税額が増えている。2017年3月31日まで適用される税特赦のうち、納税者にとって利便性が良い時期は、該当期間の中で最も低く税率が設定されている9月30日まで。残り半月でどこまで税収が増えるかに関心が集まるなか、政府の重点政策に加勢するように、リッポー・グループなど大手財閥やスハルト元大統領の三男トミー・スハルト氏ら有力者が相次いで申告している。
 7月18日の運用開始以来、9月15日時点の納税額は21・3兆ルピアと目標の165兆ルピアに対し12・9%まで達した。
 運用当初7〜8月の納税額は伸び悩んでいた。「運用実態が把握できず経営者は様子見状態」(税務コンサルタント)だった7月の納税額は1兆ルピア、8月は6兆ルピアと、政府目標とかけ離れ、目標の現実性に懐疑的な声が広がった。
 9月に入ると9日間だけで納税額は8兆ルピアを超え、2カ月間の納税額を一気に上回った。地元企業向けに税務アドバイスを提供するコンサルタント会社では、経営者から租税特赦の活用をめぐり問い合わせが殺到している。20年以上インドネシアで税務コンサルタントをしている公認会計士は「段階的に税率が上がる仕組み。最も税率が低く設定されている9月末までにどれだけ申告額が増えるのかが焦点」と残り2週間の運用状況に関心を示した。
 納税者は持っているすべての資産を申告後、税務署から申告漏れを指摘された場合、対象となる税金に200%加算されるペナルティーが課される。ペナルティーをめぐり「どこまでが資産と判断されるか」「租税特赦を活用後、一定期間分の税務調査が免除される制度の実態は」と経営者は実際の運用状況を慎重に見極めている。
 経営者が悩むなか、アピンド(経営者協会)のソフヤン・ワナンディ顧問会議議長(副大統領首席補佐官)やリッポー・グループのジェームス・リアディCEOといった経済界の大物が租税特赦を活用すると表明。ソフヤン氏は「インドネシアに投資する。検討している人は私に続いてほしい」と呼びかけた。
 ソフヤン、ジェームス両氏に続きセリエAの名門インテル・ミラノの株主で有名な大物実業家、エリック・トヒル氏が14日に、さらにトミー・スハルト氏も15日に租税特赦の活用を表明した。トミー氏は「タックス・アムネスティはインフラ整備の資金になり、国益につながる素晴らしい制度だ」と語り、税務総局長に資産報告書を手渡した。
 プラモノ・アヌン官房長官は15日、内閣官房の職員に対しても周知活動を実施、「資産申告額が500兆ルピアを超えた」と強調し、該当期間中の報告で申告漏れしていた資産に対する税金を約20%下げられる制度の活用を訴えた。
 一方、租税特赦で期待する税収が達成できない場合、徴税強化の動きが強まり、日系企業を含め過渡な税務調査が増えるのでは、と指摘する声も上がっている。(佐藤拓也)

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