埋め立て事業を再開 ジャカルタ湾 人工島計画修正で対処

 ルフット・パンジャイタン海事調整相は14日夜、ジャカルタ湾の埋め立て事業を再開すると発表した。人工島の造成で、送電用の海底パイプラインに損傷を与えるなど、隣接する火力発電所に支障をきたすほか、漁船の航路など漁業や海洋生態系への影響があるなどと批判が集中。さらに事業に絡む贈収賄事件が発覚するなどして4月に中断されたが、7月の内閣改造で就任したルフット氏と事業を推進するアホック・ジャカルタ特別州知事らが主導し、反対派を封じ込めた格好だ。
 ルフット調整相は、国営電力PLNや環境林業省、海洋水産省、運輸省、科学技術応用評価庁(BPPT)、国家開発計画省(バペナス)などと協議し、事業計画の一部を変更することで指摘された諸問題を解決するとの方針を表明。「ジョコウィ大統領の指示で、1万2千人の漁民を最優先する」と強調し、漁民には高層住宅を用意するほか、1900隻の漁船にリアウ諸島州ナトゥナ海域での漁業権を与えると説明した。
 また、ジャカルタ行政裁判所が6月、G島の造成事業許可を無効とした判決については「確定しておらず、法的拘束力を持たない」との見解を表明。計画の修正案をバペナスが承認したうえで再開すると強調した。
 海事調整省が提示する修正案は、海底ガスパイプラインの障害にならないよう巨大防波堤のデザインを策定▽パイプラインと堤防の間の距離は75メートル確保▽取水・排水路の位置を変更し、G島の南側一部を排水路に使用▽ムアラ・アンケ港周辺の漁船の航路幅300メートルを確保▽ムアラ・カラン火力発電所の発電量増加計画に向け、G島内に放水路を建設――などを挙げている。
 人工島造成事業の再開は、7月の内閣改造で政治・法務・治安調整相から海事調整相に横滑りしたルフット氏が、就任後の優先課題として挙げていた。前任のリザル・ラムリ氏が環境団体や漁民に同調し、同事業を中断させたが、ルフット氏が開発業者に計画を一部変更させることで反対派の批判をかわす考えだ。
 事業中断の決定を大臣令で定めたシティ・ヌルバヤ環境林業相は13日、「開発業者は既に環境への影響に関する書類を提出したが、事業再開には新たな大臣令を発令する必要がある」と説明。環境団体ワルヒは「社会、環境への影響をオープンに話し合わず、ルフット氏が一方的に決定した」と批判している。
 ジャカルタ特別州政府が事業許可を発行した人工島計17島のうち、G島(161ヘクタール)は、火力発電所に隣接するショッピングモール「ベイ・ウオーク」の800メートル沖で造成が進む。C、D両島はパンタイ・インダ・カプック沖に造られ、既に商店街や大通りの一部が完成し、店舗が販売されている。(配島克彦、写真も)

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