特別州も調査着手 クマンの洪水 区は300棟を強制撤去へ

 ジャカルタ特別州はこのほど、南ジャカルタ区クマンの巨大モール建設が渋滞、洪水発生の原因になっている可能性があるとして、土地利用と建設計画の再確認作業を始めた。また、南ジャカルタ区は5日、8月27日の豪雨で大規模な洪水被害が発生したクマンに違法建築物が約300棟あり、強制撤去する方針を明らかにした。氾濫したクルクット川の川幅を現在の約5メートルから20メートルに広げるためで、対象となる建物には撤去通知書を事前に送達する。

 巨大モールのリッポー・モール・クマン建設をめぐっては、適正な建設許可を取得しているかどうかを州都市計画局が調査中。アホック州知事は「建設に違反がないかどうか、調査で結論を出す」と述べ、トゥグ・ヘンドラワン州水道局長も「以前のクルクット川の地図があるので、現状と照らし合わせて(川幅などに変化があったかどうかを)確認する」と語った。
 これに対し、モールを建設したリッポーグループのダナン・クマヤン渉外担当部長は「調査の結果を待つ」と述べるにとどめた。
 モール建設や土地利用の関連法では、隣接する道路、建物と一定の距離を取るよう義務付けられている。建設地が川沿いの場合、河川の深さによって距離が決まるという。具体的には、道路と接する際は、道幅の半分以上を開けた場所に建設しなければならず、川沿いでは岸から20メートル以内に建設することはできない。
 南ジャカルタ区は現在、クルクット川沿いのホテルなどの商業ビルや家屋が関連法に違反していないかどうかなどを、地区の有力者らを区庁舎に呼んで確認している。クマンのあるバンカ地区長のデディ・スハンダさんによると、モール建設時に川の流れを埋め立てなどで曲げたという。
 南ジャカルタ区の担当者、トリ・クルニアディさんは日刊紙コランテンポに対し、「渋滞と洪水からクマンを解放する」と強調。川のしゅんせつと拡幅作業のため、モールの川沿いに建てられた高さ5メートルの壁を取り壊す予定。さらに、駐車場建設で河川敷をセメントで埋め立てたなどとして、クマン・ラヤ通り沿いのホテル「ポップ! ホテル・クマン」とアンティーク家具店「ジュープ・ファイン・リビング」も撤去する予定。(中島昭浩、写真も)

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