「奇数・偶数」正式導入 初日朝の違反者219人 渋滞緩和の乗り入れ規制 反則金、送金も可

 ジャカルタ特別州の渋滞緩和の交通規制「奇数・偶数制度」が30日、正式に導入された。1カ月の試験期間はあったが、まだ制度を知らない人や奇数日だと勘違いした人なども多く、初日朝に摘発された違反者数は219人に上った。

 警視庁交通局のブディヤント局長によると、午前7時から同10時までの時間帯での違反人数は219人。違反のうち90人近くが貨物トラックだった。以前の3イン1より車両流入数削減に効果が出ているという。
 警視庁と州運輸局、州警備隊から250人を動員し、摘発と交通整理に力を入れた。中央ジャカルタ・ホテルインドネシア(HI)前ロータリーでは約30人を配備し、20人を摘発した。
 北ジャカルタから初めてタムリン通りを通ったという自営業のエリー・エルヤンティさん(42)は「新制度のことは知らなかった」。公務員のジャジャさん(50)は「奇数日だと勘違いしていた」と話した。
 公共交通機関の黄色プレート以外の貨物トラックは摘発対象となり、警視庁や運輸局からの許可証がないと進入できない。摘発された小型貨物トラック運転手のヘリィさん(37)は「制度の仕組みをしっかり把握していなかった」と肩を落とした。
 反則切符は赤と青の2種類ある。警視庁交通局の警察官によると、原則として赤色切符を切り、免許証(SIM)か車両登録証(STNK)のいずれかを没収する。指定された日時に裁判所に出向き、簡易裁判によって最大2カ月間の拘留か、50万ルピア以下の反則金が決まる。
 一方で違反者が青色の切符を選ぶこともできる。裁判所の手続きは不要になるが、反則金は最高額の50万ルピアを銀行のATMで支払う。SIMやSTNKは送金後に返される。
 アホック知事は30日、反則金をめぐる不正防止のためにも、送金記録が残る青色切符を切るよう警視庁に求めた。(中島昭浩、写真も)

ナンバー変更、買い換えも 日系企業に影響

 30日に正式導入された奇数・偶数制度は、日系企業にも影響を与えている。対象の通りにオフィスを構える企業や、通りをよく使う企業に現状を聞いた。
 スディルマン通りの診療所に務める田中正栄さんは「総務で規制にあわせたナンバーの車を用意してくれているので大きな問題はない。規制時間外に対象ナンバー以外の車で外出した場合に、戻りが遅くなると通りに入れないので困っている」と話す。
 日系企業の顧客が多いレンタカー会社は「影響は出ている。スディルマン、タムリン両通り界隈の顧客から制度について聞かれ、レンタカーのナンバーを、奇数・偶数バランス良く配分してほしいという要望もある。多少コストはかかるが、2週間くらいかけてナンバーを変更している」と語る。今後、日本からの出張者への対応で「短期レンタルでナンバーを指定されると手配が難しくなる」と不安をあらわにした。
 スディルマン通りの日系旅行会社社長は「自社の車が2台あるが、どちらも偶数なので影響が大きい。買い替えのタイミングで、奇数の番号に変更するつもり」。帰社が規制の時間にかかりそうな場合は、タクシーを使うようにしているという。(太田勉)

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