団結重視 第2次改造 3分の1入れ替え
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は7月27日、閣僚・閣僚級35人のうち13人を入れ替える大規模な内閣改造人事を発表した。
昨年8月の第1次改造内閣以来、閣内不一致で主要政策の実行が遅れたとして、第2次改造内閣では内閣の団結を最重視。意見対立が目立った閣僚を入れ替えたほか、新たに連立与党入りした政党2党から新閣僚を起用し、大所帯の連立内閣となった。政権発足当初、国会議席の過半数を占めた野党勢力は空中分解し、政権基盤は強固になった。
経済閣僚では、財務相に世銀専務理事のスリ・ムルヤニ氏を登用した。連立与党が結集して成立させたタックス・アムネスティ(租税特赦)法を盾に、海外に滞留されている富裕層の資産環流をどこまで進め税収を確保できるかが問われる。
スリ氏は08年のリーマン・ショック後の金融危機に対処し、同年の税収目標を達成させたほか、大手財閥の巨額の脱税を摘発するなど「鉄の女」ぶりを発揮。しかし一方で、破綻した銀行への公的資金注入問題に端を発した政争に巻き込まれ、世銀に転出した経緯があり、ジョコウィ政権の基盤安定化を見届けて返り咲きを果たした。
昨年8月以降、矢継ぎ早に放った計12弾の経済政策パッケージの効果を問う声も高まる。外資企業の出資比率や条件を定めたネガティブリストの改定で、ジョコウィ政権は各種産業の活性化を急ぐが、大幅に入れ替わった経済閣僚間の連携が効率的な政権運営の鍵になる。