ウコンのように黄色に コーヒー毒殺事件 店員が見た54番テーブル

 ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が殺害されたコーヒー毒殺事件で、殺人罪で起訴されたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の第6回公判が20日、中央ジャカルタ地裁で開かれた。事件現場となった中央ジャカルタのカフェ「オリビエ」で働く店員3人が、証人として召喚され、事件が起きた54番テーブルでの出来事を証言した。

 1人目の証人シンディ・コルネリアさんによると、被告は1月6日午後3時半ごろに同カフェを訪れ、3人が座れるソファのある禁煙席を希望し予約した。シンディさんは「他に空いている禁煙席もあったが、(被告は)木に囲まれている場所がいいと話し、希望に沿った3座席の中から空いていた54番の席を選んだ」と話した。その後被告は午後4時14分、紙袋三つを手に予約席に着いた。
 2人目の証人は、ジェシカ被告が注文したカクテルを54番テーブルに運んだ、店員のマルロン・ナピトゥプルさん。マルロンさんによると、被告はカクテル二つとアイス・ベトナムコーヒーを注文しており、テーブルにはすでにコーヒーが置かれていたほか、紙袋三つがあった。コーヒーは底にたまったミルクと混ざっていない状態で、見た目は特に変わりなかったが、紙ナプキンと一緒にグラスの横に添えて客に出すストローがすでにグラスの中に入っていた。口を付ける部分は、紙で覆われたままだった。席には被告しか座っていなかった。
 3人目に証言したアグス・トリヨノさんは、アイス・ベトナムコーヒーをジェシカ被告の席へ運び、その場でコーヒーを入れた。その際に被告から「ベトナムコーヒーには何が使われているの」と聞かれ、「ロブスタ種で少し強い味わいです」などと説明した。アグスさんはその後、ミルナさんの前に置かれたベトナムコーヒーの色がウコンのように黄色に変色していることにも気付いたと証言。その数分後、ミルナさんが頭を天井に向けたまま意識を失っているのを目撃している。
 公判では前回同様、監視カメラの映像のほか、ミルナさんが飲んだコーヒーや、その際に使用されたコーヒー器具などを用いて、店員が実演、説明しながら進められた。
 裁判長はジェシカ容疑者に話す機会を設けたが、いずれの証言の後も「ありがとうございます。特に言うことはありません」とだけ発言した。
 次回公判は21日。(毛利春香、写真も)

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