党首交代論が拡大 大統領が党幹部と協議  汚職疑惑で民主党 後任にジョコ氏ら浮上

 国会第一党でユドヨノ大統領が最高顧問会議議長を務める民主党で、党首交代論が拡大している。大統領は二十四日、西ジャワ州ボゴール県チケアスにある大統領の私邸で、党最高顧問会議委員との会合を行い、汚職事件への関与の可能性が連日報じられているアナス・ウルバニングルム党首の処遇について話し合ったと報じられている。協議後、党幹部からアナス氏の後任候補について具体的な名前が飛び出すなどしており、二〇一四年の総選挙への駆け引き本格化を前に人心一新を求める声が上がる一方、党首交代へ向けた動きは党内部の亀裂を深めるとの見方もあり、党最高指導者のユドヨノ大統領の出方が注目される。

 二〇〇一年に設立した民主党は、ユドヨノ氏の人気や、旧来の政党と一線を画した清新さを前面に押し出し、〇九年の総選挙で国会第一党に躍進した。だが昨年中ごろに党会計部長を務めていたムハンマド・ナザルディン被告の汚職疑惑が発覚すると、党や政権の支持率が低下。ナザルディン被告はアナス党首など党幹部の事件への関与を次々と暴露している。
 党幹部のシャリフディン・ハサン協同組合・中小企業担当国務相は「われわれの党首が関与したと言われる汚職事件の報道が続いていることで、わが党のイメージが傷付いている」とアナス氏に批判的な見方を示し、「最終的には大統領が判断する」と述べ、大統領が党首交代の決断を下す可能性があることを示唆。
 一方、アナス氏に近いとされるアフマッド・ムバロック前副党首は「複数の党幹部がユドヨノ氏に党首を交代するよう進言している。前回の党首選の遺恨がまだあるようだ」と明らかにした。
 アナス氏は二〇一〇年の党首選でマルズキ・アリー国会議長とアンディ・マラランゲン青年スポーツ担当国務相を破って当選。マルズキ、アンディ両陣営は現在もアナス氏の追い落としを図っているとの憶測が流れている。
 アナス氏の後任候補については、マックス・ソパチュア副党首が二十五日、「(周辺では)後任の党首の名前が取りざたされており、今朝はジョコ・スヤント政治・法務・治安担当調整相の名前が挙がった」と報道陣に明らかにした。ほかに、スハルト政権末期に青年スポーツ相を務めた党幹部のハヨノ・イスマン氏らの名前が挙がっている。
 インドネシア調査研究所(LSI)のブルハヌディン・ムフタディ研究員は「汚職撲滅委員会(KPK)はアナス氏に法的措置を下すことをためらっているようだ」と述べ、大統領への配慮がある可能性を指摘。一方で、「ユドヨノ大統領は党内部の亀裂を憂慮しており、党首交代には慎重になっている」との見方を示した。

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