ジャワ島南部の空活用 政府 民間機の新ルートに 混雑解消、早く、安く

 政府は軍用機の運航のみで民間機での使用が禁止されているジャワ島南部の上空ルートを、民間機も通過できるようにする計画を明らかにした。インドネシア国内での航空機利用者の増加に伴う空の混雑状況を改善するとともに、ジャワ島南部や東ジャワ州地域の開発促進にもつなげたい考え。

 イグナシウス・ジョナン運輸相によると、ジャワ島南部の上空ルートを使用することで、ジャカルタ特別州からジョクジャカルタ特別州や中部ジャワ州ソロ、東ジャワ州バニュワンギ、バリ島デンパサールへ向かう際、所要時間が10分短縮されるため、燃料が約15%削減でき、チケットの価格も10%ほど安くなるという。
 運輸省によると、インドネシア国内では航空機の利用者が増え続けており、ジャワ島北部の上空は世界で5番目に混雑しているエリアだという。
 中でもジャカルタ〜スラバヤ間は少なくとも1日に150便が運航している。世界の航空関連情報を提供する英国のOAGが2015年に実施した、世界で最も混雑している航空ルートの調査でも、同区間は世界で11番目に位置付けられている。
 一方、ソロやジョクジャカルタからジャカルタへ向かうフライトの利用者も増加傾向にあるが、現在、混雑が続くジャワ島北部の上空を通るルートしか運航できないため、フライト数や時間が限られているという。
 ジョナン運輸相は「ジャワ島南部の上空ルートも軍用機だけでなく、民間機と共有するべきだ。ソロやジョクジャカルタからジャカルタなど北へ向かって飛ぶフライトの数を増やし、利用客が乗りたい時間など、選択肢を増やすことが大切」と話した。
 プラモノ・アヌン内閣官房長官によると、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領も提案に賛成しており、ジャワ島南部の上空の使用許可に関する大統領令を作成するよう指示。9月には同エリアでの試験運航を始め、問題がなければそのまま民間機への使用許可を出すという。
■新空港の建設も
 ジャワ島南部の上空を航空機が通過することで、中部ジャワ州に近い東ジャワ州地域などで新たに空港を建設するなど、同地域の経済開発・発展も見込む。中でも中部ジャワ州ブリタル、東ジャワ州トレンガレックやパチタン、クディリ、ポノロゴで新たな空港建設計画が持ち上がる可能性があるという。
 ジョナン運輸相は東ジャワ州マディウンにあるイスワフユディ空軍基地からの軍用機の運航に支障がないことに加え、土地収用の問題もなくすぐに利用可能な土地があれば、5千億〜7千億ルピアをかけ17年1月にも空港建設を開始し、2年間で建設を終えたいと話した。
 さらに民間機が新たに利用できるジャワ島外へとつながる航空ルート拡大を目指す考えも示した。中国が海洋進出を強めている南シナ海の南端にあるリアウ諸島州ナトゥナ諸島では新たに2カ所で空港の建設を開始しており、民間機の乗り入れも検討しているという。(毛利春香)

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