安全な帰省のために レバランに向け整備店活況 クマヨラン自動車市場
北ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)からほど近い自動車部品の販売店や整備店が集まる「パサール・モビル(自動車市場)・クマヨラン」が、レバラン(断食月明け大祭)帰省を前に最盛期を迎えている。安全第一をモットーに、男たちが帰省に向けた車の整備に汗を流す。
市場には、新車や中古自動車の売買、部品やカーナビなどのアクセサリー類の販売店など約700店が軒を連ねる。約8.2ヘクタールの敷地は30を超える区画に分かれている。そのうち、車両の修理や整備店(ベンケル)が50店舗ほどを占めるという。
西端の区画にある車両整備店「スラマット・モーター」で働く、この道18年のベテラン、ヨハネス・ブディさん(32)は30日、若手4人を連れて二つ右隣のブロックまで出張整備に来ていた。日本製4WDのブレーキと各種ライト、ホイール、オイル、フレームの5カ所の整備がこの日の仕事の一つ。ブディさんは「大体2〜3時間で十分」と腕をまくった。
依頼主のトラック運転手バスキさん(33)は、27日までバリでツーリングをしており、28日の朝にバリを発ち、1日かけてジャカルタまで運転してきた。レバラン帰省では、スマトラ島のランプン州ランプン県まで、妻を乗せて8時間の道を行く。「3年前からのなじみの整備店だから安心。知人の紹介からの付き合い」と話す。
ブディさんはタイヤを外し、中のブレーキ部品を取り外し、きれいに拭いてオイルを塗り直し、丁寧に力強く整備する。「外れないように鍵をするイメージ。車は足が一番大事」と心を込める。「公共交通機関は安全だと思う。でも俺たちも安全を提供するのが仕事」と語った。
スラマット・モーターではレバラン帰省が近くなると、修理依頼は普段の1日5件から2倍程度に増えるという。修理代は部品の数や種類によって変わるが、今回の整備費は5カ所合わせて約50万ルピアだった。(中島昭浩、写真も)