動機は「失恋した恨み」 コーヒー毒殺事件で検察側

 中央ジャカルタのモール「グランドインドネシア」のカフェで1月、ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が死亡したコーヒー毒殺事件で、殺人罪で起訴されたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の犯行動機は、恋愛感情のもつれから殺害に及んだものだった。中央ジャカルタ地裁で15日に開かれた初公判で検察側が明らかにした。
                                    
 ミルナさんとジェシカ被告は留学先のオーストラリアで、デザインについて学ぶ大学「ビリー・ブルー・カレッジ」に通っており、友人関係だった。アルディト・ムワルディ検察官によると、2015年当時、被告には恋人がいたが、ミルナさんは被告に対し何度も別れた方がいいとアドバイスしていた。
 被告の恋人は暴力をふるったり、薬物を乱用したりしていたほか、経済的な余裕もなかった。ミルナさんは被告を心配し何度も別れるよう伝えていたが、被告は腹を立て、ミルナさんと連絡を取らなくなっていったという。
 その後、ジェシカ被告とその恋人は別れた。別れるよう何度も口にしたミルナさんに対し恨みを抱え、計画殺人を考え始めたという。また被告はオーストラリア滞在中に、警察沙汰になるトラブルを数回、起こしていた。
 ジェシカ被告は昨年12月ごろ、メッセージアプリ「ホワッツ・アップ」でグループチャットをしていた大学時代の、ミルナさんとの共通の友人でもあるハニさんとベラさんに会いたいと持ちかけた。その後、事件が発生した1月6日、2人はハニさんを交え3人で再会した。
 起訴状によると、ジェシカ被告はカフェ内に設置されている監視カメラ(CCTV)の場所を知った上で、同モールで直前に購入した石けんが入った紙袋で手元を隠しながら、ミルナさんが訪れる前に注文したベトナムコーヒーに毒を入れた。

  弁護側は全面否認
 検察側に対し弁護側は、毒殺に使用されたとされるシアン化合物がどのようなもので、どこで入手したか明らかにされていないことや、ミルナさんの夫や友人、コーヒーを入れたカフェの店員らが疑われない理由について不明瞭だと指摘し、起訴内容を否認。起訴そのものを取り消すよう要求し、全面対決の姿勢を見せた。
 21日に開かれる公判では、検察側証人が出廷するとみられる。(毛利春香)

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