カジキや冷凍倉庫に驚く JJS児童、漁港を見学 北ジャカルタ

 ジャカルタ日本人学校(JJS、齋藤稔校長)小学部5年の146人は15日、社会科見学で北ジャカルタ・ムアラバルにあるジャカルタ漁港を訪れた。魚の陸揚げや、冷凍倉庫、船を修理するドック、コントロールタワーなどを見学。漁港の仕組みについて学んだ。

 船から揚げられ、重さを計ったり、仕分けされたりするイワシやカツオ、サワラなどの魚を歩いて見て回った。おそるおそる凍った魚に触れた子どもたちは「かたくてつめたい」「投げても大丈夫そう」と感嘆の声を上げた。中でも、運よく水揚げされていた全長約150センチのカジキに興味津々。次々、とがった上顎をつついていた。塩漬けにされる生のサワラにも触り「おいしそう」「ぷにゅぷにゅしてる」「匂いに慣れない」と食卓に並ぶ前のさまざまな魚を見学した。
 次に上着を着た子どもたちは零下30度の冷凍倉庫に立ち入った。冷凍された魚が陳列される中を「寒い!」と言いながら進み、濡らしたハンドタオルなどを凍らせた。外に出ると、60度近い気温差でメガネがくもった。高さ35メートルのコントロールタワーにも上り、ジャカルタ湾を一望した。
 船を修理するドックも見学。全長25メートルの船をはじめ約15隻が並んでおり、修理が終わった船は高さ12〜13メートルほどのアーチ型のクレーンを使い、船体の下にベルトを通して釣り上げ、海へ運ばれる。ちょうど、船が陸から海へ運ばれる様子を見学できた児童もおり、ゆっくりと運ばれる船を岸辺まで追い掛け、見送った。
 5組の根本莉々葉さん(10)は普段は体験できない寒さを感じた冷凍倉庫が一番楽しかったという。また「修理が終わった船を持ち上げて海へ運ぶことなど、知らないことをたくさん知ることができてよかった」と大満足。3組の中村鴻介さん(10)は、コントロールタワーの見学が最も印象に残った。「高い所は周りにガラスなどがないと怖いけど、海や船がある景色がきれいで楽しかった」と話した。
 同港は1984年に操業を開始、日本の政府開発援助(ODA)を受けて開発を進めてきた。
 社会科見学では、同港の開発や設計などに30年以上、携わってきたアドバイザーの折下定夫さん(68)らが案内役を務めた。折下さんは漁港の歴史やしくみも説明。子どもたちから質問が相次いだ。
 折下さんは「日本に輸出されている魚も多く、日本の食卓に密着した港でもある。ジャカルタに住む日本人がこの港を知らずに帰国してしまうのはさみしい。もっと多くの人に知ってもらいたい」と話した。(毛利春香、写真も)

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