泥噴出から10年 シドアルジョ、観光地にも

 東ジャワ州シドアルジョ県で2006年5月29日、高温の泥が突然噴出し、同県ポロン郡とタングランギン郡、ジャボン郡の3地域、計800ヘクタール以上が泥に沈み、13人が死亡した。15の村の約7万5千人以上が土地を追われた泥噴出から10年。泥の噴出は現在も続く。一方、噴出地を観光地として客を案内し、生計を立てる人の姿もある。 

 30日朝、タングランギン郡の被害者ら約100人が、泥をせきとめている堤防に集まり、一斉に祈りをささげて花びらをまいた。
 採掘会社ラピンド・ブランタスの天然ガス採掘が原因の一つとされているが、ラピンド・ブランタス社は同郡で1月に採掘を再開させたものの、住民が反対。政府の指示で一時中断された。住民らは再開しないよう改めて訴えている。
 政府は東ジャワ州スラバヤを中心に、液化石油ガス(プロパンガス=LPG)に代わる天然ガスで家庭用ガスの需要を満たすため、同地でのガス採掘が不可欠だとしている。シドアルジョ泥噴出対策庁(BPLS)を設置し、被害者のための土地購入などで対応してきた。
 政府は補償窓口を担うミナラック・ラピンド社(バクリーグループ)に、被害者へ補償金を支払うよう命じており、ラピンド・ブランタス社は06年の泥噴出以降、災害対策費として8兆ルピアを支払ったとしている。一方、BPLSによると直接泥の被害を受けた地域とその周辺の土地を含めると、未払い補償金は3・6兆ルピアにのぼり、うち7819億ルピアは政府がミナラック・ラピンド社に貸し付ける。
 ラピンド・プランタス社は支払いが円滑に進まない理由として、国土庁とミナラック間での土地の測量結果や住民から報告される土地状況に違いがあり、査定金額に住民が不満を持つほか、住民側で相続権や分配についてもめるなどし、補償金をなかなか受け取らない場合もあるという。シドアルジョ県のサイフル知事は「仲裁に入り、平和的にこの問題を解決したい」と話している。
 噴出している泥は河川や土地を汚染し、農作業や漁業などにも影響を与えている。インドネシア環境フォーラム(WALHI)の東ジャワ支部によると、泥には高濃度の銅やカドミウムなど有害な重金属や、発がん性物質とされる多環芳香族炭化水素(PAH)が含まれているという。住民から水道水が汚れているという報告もあり、近隣住民に健康被害が広がっている可能性が高い。
 一方、泥噴出の現場を一目見ようと観光客が訪れるようになった。職を失った人々が観光客のガイドなどを務め、生活資金を稼ぐようになっている。(毛利春香)

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