スティヤ氏 新党首に ゴルカル党 連立与党に鞍替え

 ゴルカル党の臨時党大会は17日にバリ州ヌサドゥアで党首選を開催し、スティヤ・ノファント前国会議長(61)を新党首に選出した。昨年のフリーポート裏交渉疑惑で議長職を解任されながらも、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権の党重鎮らの支持も取り付け、返り咲きを果たした。また同党は連立与党に参画する方針を決定。ジョコウィ政権は国会議席の7割を得て政権基盤を固めたが、今後は野党から鞍替えした新参与党との利害調整が課題になる。

 8人が立候補した党首選は16日夜から17日朝にかけ夜を徹して行われた。中央執行部役員や全国各地の支部長、支持母体代表など投票権を持つ554人が投票した。開票の結果、スティヤ氏が277票と半数を獲得して首位になり、アデ・コマルディン国会議長は173票で続いた。アデ氏は有効票の3割を超え決選投票に進む権利を得たが、「党分裂を回避するため辞退する」と発表し、スティヤ氏当選が確定した。任期は2019年まで。
 党首選後、スティヤ氏は幹事長にイドルス・マルハム氏を任命すると発表した。国会会派代表を辞任し、党務に専念する意向を表明、来年2月の統一地方首長選に向け、地方支部の結束を固めて党勢回復を図りたい考えだ。
 臨時党大会ではスハルト元大統領以来の最高顧問職を復活させてアブリザル・バクリー前党首を選出。またグリンドラ党や福祉正義党(PKS)との野党連合を離脱し、ジョコウィ政権を支持する党方針を発表した。
 ゴルカル党は2014年総選挙で国会第2党だったが、同年の大統領選では自党の候補者を擁立できず、バクリー氏やスティヤ氏ら党主流派が第3党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント最高顧問会議議長を大統領候補として支持した。
 しかしジョコウィ氏と元党首のユスフ・カラ副大統領のペアに敗れたため、プラボウォ支持政党で野党連合を結成、連立与党を上回る国会議席数となった。国会や国民協議会(MPR)の正副議長など幹部ポストを独占し、ぜい弱な政権基盤による国会運営が問題視された。
 だがスハルト政権で30年、同政権崩壊以降も各政権で連立与党として閣僚を送り込んできたゴルカル党は、カラ副大統領や元最高顧問会議副議長のルフット・パンジャイタン政治・法務・治安調整相を足掛かりに政権側に接近。野党連合が空中分解するなか、今回の党首選では、ジョコウィ大統領の腹心のルフット氏が党支部代表を集めてスティヤ氏支持を呼びかけ、カラ氏やスハルト一族などが推したアデ氏を追い込んだ。
 ゴルカル党はユドヨノ前政権で主要閣僚ポストを得ながら、国会審議では連立与党ではなく野党支持に回ることも多く、「ゴルカル党の連立与党入りが必ずしも政権基盤の安定化につながるとは言えない」(政治評論家のシティ・ズフロ氏)との指摘もある。(配島克彦)

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