色とりどりの漁村に リオのスラム街から着想 スラバヤ市チュンパット

 東ジャワ州スラバヤ市が漁村を整備する観光開発事業をスタートさせた。海沿いの観光地として知られるケンジェラン海岸北部のブラック地区チュンパット村。4月中旬から家屋の壁や屋根を一つ一つ塗装し、色鮮やかな漁村として変貌を遂げようとしている。
 スラバヤ市のリスマ市長は、ブラジル・リオデジャネイロにあるスラム街で住宅を色鮮やかに塗ったことで周囲からの関心が高まり、治安が改善され観光地になりつつあるという例から着想したと説明。「ジャカルタのように建物を取り壊して新たに建てるのではなく、今あるものをそのまま残しながら漁村としての特色を前面に押し出す」と強調する。
 チュンパット村では家をペンキで塗るほか、5色の竹の柵も用意。5日時点ですでに住宅40棟を塗り終え、塗装作業が続いている。ケンジェランの北、チュンパットの南に位置するクジャワン・ロルの住民からも多数の要望があり、同様に塗装する計画だという。
 市の居住・空間計画局のスラクソノさん(56)によると、漁村の南側に位置し、海の目前に広がる空き地は公園にするほか、住宅地周辺の道路も舗装する。「1軒1軒、異なる色できれいにペイントする。色はできるだけ住民と一緒に決めている」と話した。
■魚市場も活性化
 スラバヤ市は漁村チュンパットの目と鼻の先にあるある魚市場「セントラ・イカン・ブラック(SIB)」の活性化も掲げる。同市都市整備局のユスタマジ局長によると、SIBは210億ルピアかけて建設、2012年にオープンしたが、周知不足で2階建ての240ブースのうち約20%しか埋まっていなかった。
 そこで4月から机や椅子などを整備しながら、ブラック村やケンジェラン海岸沿いで魚の販売業者を募ったところ、5月4日までに135ブースが埋まった。また4月3〜10日に「ブラック・フェスト2016」を開催。魚介類の販売や船の塗装コンテストなどのイベントを開き、リスマ市長自ら参加して観光客も楽しめる漁村をアピールした。
 チュンパット村は車で数分のケンジェラン海岸北部にある。スラバヤ北部の観光地として知られる同海岸には、ウオーターパーク・ケンジェランや、そびえ立つ2匹の竜で知られる観音寺、四面仏像など観光スポットが多い。
 リスマ市長はケンジェラン海岸からさらに北部へと観光開発を急ピッチで進めている。4月には海岸沿いに長さ800メートルの海上道路が開通した。色とりどりにライトアップされる長さ90メートルの噴水も海上道路沿いに完成し、写真撮影する市民らでにぎわっている。(毛利春香、写真も)

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