「ピッ」と簡単入園 ラグナン動物園に電子マネー
国内最大規模を誇るラグナン動物園(南ジャカルタ)は大型連休を前に4日、入園券に電子マネー式のカードを導入したと発表した。州営DKI銀行との協力で実現した。現金をチャージして使い、カードをかざすだけで入園できる。首都圏専用バス「トランスジャカルタ」でも利用可能なほか、州内各地の観光施設などへ提携先を広げていく計画だ。
名前は「JakCard(ジャッカード)」。発表式典に出席したDKI銀行のクレスノ・スディアルシ頭取は、カードは州政府と共に行う「キャッシュレス社会」への取り組みの一つだと説明。2月17日からの試験導入期間に、計3万9437枚を販売し、取引総額は6億746万ルピアに上ったことを明かした。ジャロット・ジャカルタ特別州副知事は「(支払いが)簡単なだけでなく、現金利用によるスリや不正などのリスクを減らせる」と歓迎した。
電子カードは3万ルピアと5万ルピアの2種類で、それぞれ2万ルピアと4万ルピア分が利用できる。チャージ額の上限は100万ルピア。四カ所の入園口に電子マネー対応の自動ゲート計約50台を設置した。大人用と子ども用の2種類のゲートがあり、カードをかざすことで入園料が引き落とされる仕組み。家族や友人など複数の来園者で1枚のカードを共有でき、人数分の入園券を買う必要がない。園側も紙を削減でき、来園者の集計が容易になるメリットなどがある。
カードは子ども動物園や駐車場など園内の有料施設のほか、トランスジャカルタでも利用できる。今後はモナスや各博物館などの観光名所などとも提携し、ジャカルタ中で統一して使えるカードを目指す計画で、DKI銀行のクレスノ頭取は「観光、レクリエーション分野におけるポテンシャルは非常に大きい」と期待を示している。
■4連休でにぎわい
同園のバンバン・トリヨノ事務局長によると、5日から8日までの4日間で20万人の来場者を見込んでいる。連休初日の4日、来園者は5万3千人に上った。普段は100人の警備員を、地元警察らの協力を得て300人まで増強しているという。
スマトラゾウ舎の周りには、迫力あるゾウの姿をカメラに収めたり歓声を上げたりする来園者らが集まり人だかりができた。西ジャカルタから友人と訪れた銀行員のイェシカ・チャルドラさん(23)は「ちょっと混みすぎているけれど、いつもと違うユニークな体験を楽しみたい」と話し、グァバを買ってゾウへの餌やりを楽しんだ。(木村綾、写真も)