【スカルノハッタ 次代へテークオフ 上】来月末にオープン 第3ターミナル 42万平方メートルに 「芸術と文化」全面に

 バンテン州タンゲランのスカルノハッタ国際空港で「ターミナル3アルティメット」として建設が進む第3ターミナルのメーンビルが5月末に開所する。空港の利用者数は2013年に6千万人を突破し過密状態が続いてきたが、第1、2ターミナルの改修も進め、全体で18年までに収容能力6200万人に拡大する。次代へ進もうとするインドネシア最大の国際空港の姿を追った。
 第3ターミナルの広さは全エリアで42万2804平方メートルとなり、年間の収容能力は2500万人。第2ターミナルの東側にあり、ライオンエアとエアアジアが乗り入れている既存の第3ターミナルと合わせ新たな第3ターミナルとなる。すでに第1フェーズで建設するメーン部分の96%が完成。国内・国際線ともに乗り入れる予定で、国営ガルーダ航空と航空連合スカイチームのエアラインの利用が決まっている。
 同ターミナルのコンセプトは「アート・アンド・カルチャー」。世界で活躍するインドネシア人芸術家の絵画や彫刻などの作品を展示、または装飾として使用する。ターミナル内の31%が商業施設などのコマーシャルエリアとなり、残り69%がオペレーションエリアとなる。
 新たに建設した空港敷地内の高架道路はほぼ完成。利用者が車から乗り降りするドロップオフのエリアは2階部分で、ターミナル内のフロア2と通路でつながる。同フロアには計206のチェックインカウンターがあり、うちセルフチェックインと手荷物預け専用カウンターが12、セルフチェックインのみのカウンターが12となる。
 出発口はフロア1で、国際線10ゲート、国内線18ゲートを設ける。グランドフロアでは入国手続きやビザ申請、トランジット、手荷物受取(レーンは国際・国内線それぞれ七つ)などができる。VVIP(超重要人物)用のスペースには6124平方メートルをあてた。
 国営空港管理第2アンカサプラのハイルル・アンワル広報担当は「これからはインドネシアも世界の名だたる国際空港と競っていく時代。キャパシティーを超えている現在は、安全性やサービスなど至らない点が多いのも事実。急ピッチで空港の全面的な発展と改善を進めていく」と話す。
 同空港は当初、利用者が快適に利用できる1人あたりのスペースを仮定して計算される旅客ターミナルの設計値として、2200万人の年間利用客を想定して造られたが、現在はその3倍もの人が利用している。
 イギリスの航空業界格付け会社スカイトラックスが選ぶ世界空港ランキングで、スカルノハッタ国際空港のランクは63位で、15年の57位から下落した。4年連続1位を獲得したチャンギ国際空港(シンガポール)や、2位の仁川(インチョン)国際空港(韓国)などと競っていきたいと目標を掲げる。(毛利春香、写真も)(つづく)

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