豪シドニーで逮捕歴  ジェシカ容疑者、自殺未遂も コーヒー毒殺事件

 ことし1月にワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が死亡したコーヒー毒殺事件で、コーヒーに毒を入れてミルナさんを殺害した容疑で逮捕された友人のジェシカ・クマラ・ウォンソ容疑者(27)が、居住していたオーストラリアで何度も逮捕されていたことがわかった。ティト・カルナフィアン前警視総監が21日、明らかにした。                                                           
 警視庁はオーストラリア連邦警察(AFP)と協力して捜査を進め、ジェシカ容疑者の逮捕歴を入手。シドニーで少なくとも14の法令違反があったという。また、自殺未遂の記録もあり、精神治療を受けて精神科から処方された薬を飲んでいたこともわかった。
 警視庁によると、ジェシカ容疑者は2008年からオーストラリア在住で大学を卒業後、シドニーで就職。07年ごろ永住権を取得しており、昨年12月にインドネシアに帰国する直前の11月まで働いていた。警視庁はオーストラリアに捜査員を派遣、同容疑者が通っていた大学や職場で聞き込みを実施。26日には同国から正式にジェシカ容疑者の逮捕歴などの記録を得られるという。
 ジェシカ容疑者の弁護士、ユディ・ウィボウォ・スキント氏は逮捕歴について否定。「この逮捕歴が事実であれば、オーストラリアから出国することは制限される。逮捕歴は真実ではない」と説明している。
 同事件はことし1月6日、中央ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」1階にあるカフェ「オリビエ」で、ミルナさんとジェシカ容疑者、2人の共通の友人であるハニさんの3人で集まったが、ミルナさんがアイスコーヒーを飲んだ直後に死亡した。 
 ジェシカ容疑者は他の2人の友人が来る前から同カフェを訪れ、全員の飲み物を注文、ミルナさんのコーヒーに毒を混入したとされている。
 同容疑者の弁護側は殺害の証拠や動機が不十分な上、事前連絡なしの家宅捜査、容疑者に6カ月間の海外渡航を禁止した事例などを挙げ、警視庁の捜査が刑事訴訟法違反だと申し立てていた。中央ジャカルタ地方裁判所は今月1日の予備審理で、容疑者側の訴えを退けている。
 ティト警視総監は今月16日、国家テロ対策委員会(BNPT)委員長に就任したため、今後コーヒー事件の指揮はムフギアルト新警視総監が取る。(毛利春香)

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