首都高計画 再浮上 アホック知事 北部路線を年内着工
深刻化する首都の交通渋滞の緩和策として、ジャカルタ特別州中心部と郊外を直結する首都高速道路6本の建設計画が再浮上している。アホック知事は外環高速道路(JORR)を通らず、タンゲランとブカシを結ぶ北ジャカルタ区間をまず年内にも着工し、アジア大会開催の2018年完工を目指すと発表。二転三転してきた計画が動き始めそうだ。
アホック知事はこのほど、土地収用に必要な予算を用意し、さらに補正予算で追加していくとの方針を明らかにした。土地収用予算は約5兆ルピアと試算し、公共事業・国民住宅省とともに負担する。すでに工事の第1工期の一部用地を確保しており、州営建設ジャックプロとプンバングナン・ジャヤが設立したジャカルタ・トールロード・デベロップメント社が年内にも着工する予定。
サエフラ地方官房長は地元メディアに対し、まず北ジャカルタ・クラパガディン〜東ジャカルタ・プログバン間から着工し、次にグロゴル〜スマナン、グロゴル〜クラパガディンの区間を建設するとの方針を示した。首都北部の東西を結ぶことで、州中央部のガトットスブロト通りやMT・ハルヨノ通りの渋滞を緩和できるとしている。
首都高建設計画はファウジ・ボウォ元知事時代の2007年に始動し、同知事が12年に入札を実施すると発表したが延期された。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事時代に、公共バスの停留所併設など条件付きでの計画再開が協議されたが、後任のアホック知事は高速道ではなく高架式の幹線道路にして、電子課金システム(ERP)を設置することで都心への進入車両を制限する案を公共事業・国民住宅省に提示した。
これに対し同省は、すでに事業契約で高速道建設となっており、幹線道路への区分変更は認められないとの姿勢を崩さず、先月下旬、トールロード・デベロップメント社から高速道としての建設事業の説明を受け計画再開を決定した。
首都周辺の高速道建設事業では、東ジャカルタ・カンプンムラユと西ジャワ州ブカシを結ぶベチャカユ高速道(全長21.4キロ)が年内に完工し、来年開通する予定。南部では、アンタサリ通りと西ジャワ州デポックを結ぶ高速道が昨年着工したが、第1区間のアンタサリ〜デポック市サワンガン(全長12キロ)の土地収用は30%残っている。(配島克彦)