リオ F1本戦デビュー マシンに問題、無念のリタイア オーストラリアGP
モータースポーツの最高峰フォーミュラ1(F1)のオーストラリア・グランプリ(GP)の決勝は20日、オーストラリア・メルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われ、インドネシア人初のF1レーサー、リオ・ハリヤント(23)が出場、18周目にマシントラブルでリタイアを余儀なくされ19位に終わった。リオにとってほろ苦い本戦デビューとなった。
マノー・レーシングチーム所属のリオは18日に2回、19日に1回のフリー走行を行い、予選と決勝に向け調整を進めた。19日のフリー走行では、ピットレーンで隣のピットから少し早く出たロマン・グロージャン(ハース)のマシンと接触事故。F1統括団体の国際自動車連盟(FIA)はリオに対し、グロージャンへの注意を怠ったとして、決勝でのスタート位置の3グリッド降格と、ペナルティポイント2点を科した。19日の予選でリオは1分29秒627を出し、チームの同僚であるパスカル・ウェーレインのタイムを上回り21位につけていた。
決勝は序盤、ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が6番手に順位を落とした。また、17周目に入ったところで、エステバン・グティエレス(ハース)とフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)がクラッシュ。レースは赤旗中断となるなど序盤から波乱を呼んだ。
3グリッド降格処分の影響により最後尾(22位)でスタートしたリオは、17周目まで順調に走行していたが、18周目にマシンのドライブラインで問題が発生。これ以上の走行は困難だとし、19周目19位でリタイアを余儀なくされた。
決勝で完走したのは16台で、優勝はニコ・ロズベルグ(メルセデス)が手にし通算15勝目を挙げた。2位は総合2連覇中のハミルトン、3位にはセバスチャン・フェテル(フェラーリ)が入った。フリー走行でリオと接触事故を起こしたグロージャンは初レースで6位入賞。ジェンソン・バトン(マクラーレン・ホンダ)は14位、ウェーレインは16位で今シーズンの開幕戦を終えた。
リオはレース後「順位を上げることができ感謝している。レースではどんな展開もあり得る」と冷静に本戦を振り返った。マノー・レーシングチームはマシンに問題があったとして、チームのツイッターを通じ「リオのデビュー戦で最後まで走行させることができなかった。本当に申し訳ない」と投稿した。
今シーズンはF1史上最多の21戦が行われる。次戦は4月1〜3日のバーレーンGP。オーストラリアGPの予選と決勝を放映した民放テレビ局グローバルTVは残りの全レースも放送することを発表している。(山本康行、12面に関連)