アチェ山岳に空港 メダン直行便で45分 大統領が開港式出席
スマトラ島を訪問中のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は2日、アチェ州ブヌル・ムリア県で大規模改修が行われていたレンベレ空港の開港式に出席した。自然環境に恵まれた秘境として知られつつもアクセスが困難だったアチェ山岳地帯の空の玄関口として機能させていく考えだ。
大統領は式典で、レンベレ空港はスマトラ島北端のアチェ州バンダアチェや島最大都市の北スマトラ州メダンから陸路で12時間の場所に位置すると説明。空港の改修に伴う直行便就航により、両都市からレンベレまで45分と所要時間が大幅に短縮されるとした。
また、インドネシア西端に位置するアチェ州から東端のパプア州ワメナまで直行できるようになり「アチェから(西パプアの海洋リゾートの)ラジャ・アンパットにも行ける」と話した。
空港があるブヌル・ムリア県は海抜1400メートルの高地で、世界的に有名なガヨ・コーヒーの産地やラウット・タワル湖などの観光地で知られる山岳地帯。一方で奥地のため、観光客はもちろん周辺住民の訪問や輸送手段が限られており、空港開設によるアクセス改善を狙う。開港式に出席したザイニ・アブドゥラ・アチェ州知事は観光や商業目的での訪問増加につながると新空港完成を歓迎した。
空港は2004年に開港。14年から、2100億ルピアを投じて滑走路の拡張などの大規模改修が行われてきた。これまでは50人乗り程度の小型機しか乗り入れていなかったが、改修によりボーイング737型などより大きな旅客機の運航が可能になる。長さ1400メートルの滑走路を2250メートルに延長し、駐機場(エプロン)も広さ8480平方メートルから1万4250平方メートルに拡充。また、ターミナルビルも従来の400平方メートルから千平方メートルに拡張され、収容能力は年間20万人に増強された。
大統領は同日午後、北スマトラ州メダンへ移動し、メダン〜アチェを結ぶスマトラ縦断鉄道のビンジャイ駅〜ブシタン駅(80キロ)間の工事の着工式に出席。ジョナン運輸相はオランダ時代に敷設された線路の復旧を進め、来年には運行を開始したいと話した。(木村綾)