サッカー、凍結解除へ 大統領が指示、再編を加速
政府は、青年スポーツ相が昨年4月に発令したインドネシア・サッカー協会(PSSI)の活動を凍結する大臣令の解除に向け調整を始めた。混迷を極めていた国内サッカー界再編の動きが加速しそうだ。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は24日、中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で、PSSI再編のために昨年12月に設置された特別委員会のアグム・グメラル委員長とユスフ・カラ副大統領、イマム・ナフラウィ青年スポーツ相と会談。同相に対し、大臣令を解除するよう、一両日中に準備をするよう指示した。同相は「これ以上、凍結状態を継続させたくはない」と話した。
政府は、国内リーグのインドネシア・スーパー・リーグ(ISL)で、二つのクラブを同一オーナーが保有していることを問題視し、是正勧告をした。しかし、PSSIはそのままリーグ運営を続けたため、青年スポーツ相が活動凍結の大臣令を出した。
PSSIの運営会社は昨年末、リーグ再開に向けた運営計画を発表。処分厳格化やリーグ運営の近代化、健全なクラブチーム運営を目指し、選手登録手続きをオンライン化するなど、リーグ全体の透明化を推進する。選手への給与未払い問題に対しては、リーグ全体の収入に基づいて給与の上限金額を調整する「サラリー・キャップ」を導入するとしている。
■国際舞台は先見えず
一方、国際舞台への復帰は、いまだ先が見えない。国際サッカー連盟(FIFA)はインドネシア政府が政治介入したとして、昨年5月、インドネシアチームの国際大会出場を禁止した。FIFAは26日にスイス・チューリヒで開く臨時総会で会長選挙を行うが、国際大会出場が禁止されているインドネシアとクウェートは参加できない。両国の扱いは5月12、13日の両日にメキシコ市で開催される総会で協議する。
アグム委員長は「これ以上FIFAの制裁を受けるわけにはいかない。2017年のSEA(東南アジア)ゲームと18年のアジア大会に影響が出てしまう」と不安を吐露した。18年はインドネシアがホスト国となり、ジャカルタなどで開催が決まっている。(中島昭浩)