気象庁が生中継 ホテル・航空券予約困難 皆既日食
3月9日の皆既日食まで2週間となり、観測できる地域の宿泊施設や航空券の予約が難しくなっている。西スマトラ州の気象庁(BMKG)パダンパンジャン支所は23日、皆既日食の様子を生中継すると明らかにした。
中継は午前6時半から開始し、特設のウェブサイト (media.bmkg.go.id/gmt)で見ることができる。ラフマト・トリヨノ支所長は「太陽を直接見て目を傷める危険性を避けながら、日食の様子を楽しめる」と説明した。太陽の約83%が欠けるジョクジャカルタ特別州では、日食の経過を巨大なスクリーンに映して観察できるようにするなど、各地で気軽に日食の様子を楽しむことができるよう準備が進んでいる。
皆既日食が観測できる北マルク州やバンカ・ブリトゥン州などでは、ホテルや飛行機のチケットの予約が取りづらくなっている。ジャカルタ〜南スマトラ州パレンバン間の飛行機は便数が多いため残席はあるが、値段が上がり続けている。国内の旅行会社はチケットや宿泊施設をおさえられず、現地でのツアーパッケージのみを販売している状態だという。
スマトラ島西側では日の出直後から日食が始まる。日食は自然現象であることから、イスラム教徒にとってアッラー(神)の力の偉大さを証明できる行事として捉えられており、パレンバンのアグン大モスクなどで礼拝が実施される。同モスクを管理するシュクリ・マスチクさんは「皆既日食にあわせ、偉大なアッラーに早朝から祈りを捧げよう」と呼びかけている。
日食観測には海岸や丘などが適しており、各地で観測場所の整備も進んでいる。パレンバンでは3月9日、観光名所であるアンペラ橋を閉鎖する。観光客のための観測場所とし、イベントなども開く予定。(毛利春香)