年の始めのためしとて イムレック 縁起もののスズメを放つ

 イムレック(春節・中国正月)を迎えた8日、インドネシア各地で約1千万人の華人が1年の始まりを祝い、寺院などへ参拝に出かけ家族と1日を過ごした。各地の寺院などではバロンサイ(獅子舞)や昇り竜が舞い、お年玉袋「アンパオ」が配られるなどし、海外からの観光客やインドネシア人らも訪れ、一緒に祝う姿が見られた。
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は8日、自身のツイッターで「インドネシアの華人の皆さん、新年おめでとう」と祝いの言葉を投稿した。ジャカルタ特別州のアホック知事は妻フェロニカさんの実家を訪れ新年を祝った。
 1968年に発足したスハルト政権では華人の文化活動を禁止するなど同化政策として弾圧が続いたが、2000年に故アブドゥルラフマン・ワヒド(通称グスドゥル)元大統領が華人文化などの自由化を認めた。続いて02年にメガワティ元大統領がイムレックを国民の祝日として定めて以来、今日まで毎年各地で祝われてきた。
 2015年3月に本堂が全焼し再建が進む西ジャカルタ・グロドックの中国寺院・金徳院では大勢の華人が訪れた。線香を上げるだけでなく、中国で幸せを運ぶ縁起ものとされている鳥として、華人が次々と数十羽のスズメをかごから大空へ放った。またショッピングモールや観光地などでもイムレックを祝う飾りつけやイベントが開かれ、インドネシアの年中行事の一つとして民族や宗教にとらわれることなく、中国の伝統文化が親しまれるようになりつつある。
 ことしは週末の休日と合わせると3連休となり、観光地もにぎわいを見せた。バロンサイが舞った西ジャカルタ・コタ駅では、ジャボデタベック(首都圏)から観光地のコタ・トゥアを訪れた旅行客や外出する市民が多く混雑した。西ジャワ州ボゴール市内でも、ジャカルタから訪れた観光客の車やオートバイで道路が大渋滞した。
 バリ島ングラライ空港では今月だけで、約200のチャーター便を記録。約5千人の中国人観光客が訪れた。インドネシア旅行代理店協会(ASITA)バリ支部によると、イムレックの祝日にバリを訪れる中国人観光客は昨年と比べ20%増加しており、4日間ほど過ごす人がほとんどだという。
 2週間後にはイムレックの祝いの締めくくりとなるチャップ・ゴ・メ(元宵節)が実施される。(毛利春香)

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