労働集約産業を誘致 安価な地方、進出モデルに

 政府は労働集約型産業の誘致に力を入れる。対象企業へ減税や関税優遇など税制面で支援するほか、用地収用の過程を明確にする。ベトナムなど他の東南アジア諸国に対抗し、労働集約型の生産拠点として、投資対象国に選ばれる国造りを目指す。

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は22日、中部ジャワ州ウォノギリ県のネシア・パン・パシフィック・クロージング社の新工場開所式に出席した。同社はアパレル大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)の衣服などを手がける韓国系パン・パシフィック社の系列で、ベトナムやミャンマーにも工場を持つ。新工場の建設地であるウォノギリ県は、州都スマラン市から南東に約150キロの場所で、最低賃金はジャカルタの半分以下となる130万ルピア(約1万千円)ほどでベトナムの主要都市より安い。
 政府は首都圏よりも人件費の安価な場所に労働集約型の産業を呼び込み、雇用につなげたい考え。ジョコウィ大統領がウォノギリ県に足を運んだのも、同社を進出モデルにしたいためだ。
 投資調整庁(BKPM)によると、15年全体の直接投資額は2割弱増加した一方で、飲食関連や靴など労働集約型といわれる投資額は12%減少した。フランキー・シバラニBKPM長官は政府の施策が順調に進めば、ことしは労働集約産業への投資も増加に転じると見込む。
 ジョコウィ大統領は財務省に働きかけ、労働集約型産業に対し、税制優遇などの施策を打ち出す方針を示した。免税(タックスホリデー)や所得税(PPh21)に対する減税(タックスアローワンス)を実施。また、関税も優遇し材料を安価に輸入できるよう整備する。
 事業環境の整備も課題だ。世界銀行が世界189カ国・地域のビジネスのしやすさを順位付けしている2016年版ビジネス環境ランキングで、インドネシアは109位。ジョコウィ大統領はあらゆる側面を考慮し、「来年は40位より上位を目指す」と強調した。マレーシアは同ランキングで18位、日本は32位、ベトナムは98位だった。
 念頭には、EU(欧州連合)との協定締結や、政府が参加を表明しているTPPといった自由貿易協定がある。TPPにすでに参加しているベトナムでは、商業活動が活発化。ベトナムに駐在する日系大手総合商社幹部は商機を狙って「駐在期間を伸ばしたい」と話すほか、日系人材紹介業も、最近の傾向ではベトナムがインドネシアよりも引き合いが多いと指摘する。ジョコウィ大統領は「今後3〜4年でわれわれの産業に競争力をつける」と強調した。(佐藤拓也)

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