交差点は私たちのもの サリナ前 テロ後初のカーフリーデー
爆破テロ事件後、初めて実施されたカーフリーデーの17日。独立記念塔(モナス)やホテルインドネシア(HI)前ロータリー方面からランニングやサイクリングなどをする人たちが事件現場のサリナデパート前交差点で行き交った。
爆破された警察官詰め所やスターバックス前では皆足を止めた。3日前、交差点を我が物顔に歩いていたのは銃を持ったテロリストたち。その同じ場所を家族連れが行き交う。「交差点は私たちのもの」とでもいうように。
サリナ前で露天商を営むサフ・リザルさん(56)の目には、事件前と比べカーフリーデーに繰り出す人は少ないように映った。「あの日、私はサリナ周辺にいて爆発音を聞いた。恐怖をまだ拭い切れていない。だけどみんながこうして集まっていると、何だか勇気づけられる」とリザルさんは話した。
「犠牲者の思いを胸に、テロに屈せず強いインドネシアでありたい」。サリナデパート前に架かる歩道橋上から、近くに住むウリップさん(57)はそう言って、にぎやかな交差点を見つめていた。(山本康行、写真も)