第3高校前校長が勝訴 懲戒処分めぐり 東ジャカルタ地裁
昨年4月の高校生対象の全国統一試験(UN)の最中に、自校を離れ地元テレビのインタビューを受けていたとして、ジャカルタ特別州教育局から懲戒免職処分を受けた国立第3高校(南ジャカルタ)のレトノ・リスティヤルティ前校長が処分取り消しを求めた裁判で、東ジャカルタ地裁は7日、州教育局の処分は不当とし、レトノ前校長に職務復帰の権利があるとの判決を下した。
レトノ前校長は昨年4月14日に行われた統一試験2日目、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領やアニス・バスウェダン初等教育・文化相、アホック知事が視察した国立第2高校(西ジャカルタ)を訪れ、インドネシア教員組合(FSGI)事務局長の立場でテレビ局の10分間のインタビューに応じた。
アホック知事は、レトノ前校長に対し激怒し、校長を務める第3高校の監督業務を離れ、校長の職務を放棄したとして懲戒免職処分としていた。
同地裁のトリ・チャフヤ・インドラ・プルナマ裁判長は、懲戒処分には当たらないと判断。
テレビインタビューは試験開始前に行われ、開始時には第3高校に戻っていたというレトノ前校長の主張を支持した。
レトノ前校長は「裁判は職務復帰のためでなく、教育の場で働く人間の名誉や権利を守るためのもの」と話している。
判決に対し教育局は控訴する姿勢で、アホック知事はレトノ前校長が校長として職務復帰することを拒否する構えだという。(山本康行)