火災の金徳院、再建へ 焼け残った菩薩に参拝

 昨年3月の火災で、本堂が全焼した西ジャカルタ・グロドックの中国寺院・金徳院の再建が今月18日から始まる。費用は参拝者の寄付金でまかない、年内の完成を目指す。
 金徳院財団のタン・アディプラナタ理事長は5日、ジャカルタ特別州庁舎でアホック知事と再建計画について協議。金徳院が歴史的建造物でもあることから、特別州側も再建に協力することになった。
 金徳院は1650年建立のジャカルタで最も古い中国寺院の一つ。昨年3月2日午前3時半ごろ、境内3棟のうち、一番奥にあたる本堂で火災が発生、堂内にあった仏像のほとんどが燃え、観世音菩薩(ぼさつ)像だけが残った。
 同院警備係のティトラさん(60)は、出火について「ろうそくの火の消し忘れが原因。気づいた時には火の手が回り、手遅れだった」と説明した。院内に監視カメラを導入していたが当時、事務室などに関係者がおらず、出火に気づかなかった。これまで大規模な火災はなかったと振り返り、「再建後は、自分たちの目で確認することを肝に命じたい」と管理体制の強化に意欲を燃やす。
 無事だった観世音菩薩像は同院脇の事務室に移し、一時的に観音堂として参拝者を迎えている。同院の参拝時間は午前6時から午後9時。毎年2月のイムレック(春節・中国正月)やその2週間後の春節を締めくくる祭日「チャップ・ゴ・メ(元宵節)」には、翌午前1時まで参拝できる。
 毎週日曜は100人以上、イムレック中は5千〜7千人の参拝客が訪れる。華人が多く参拝するほか、観光地としても知られ、外国人観光客も訪れる。
 ことしは2月8日にイムレックを迎える。ティトラさんは「イムレックまでに再建はできないと思うが、来年また建て直された金徳院を見にきて、参拝してほしい」と話している。(山本康行、写真も)

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