「大統領に株式譲渡」 フリーポート契約更新で裏交渉 国会議長・マフィア暗躍

  米系鉱山フリーポート・インドネシアの契約更新をめぐり、スティヤ・ノファント国会議長(ゴルカル党)が暗躍していたことが発覚し、物議を醸している。裏交渉の材料にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領やユスフ・カラ副大統領の名前を持ちだし、同社株式を譲渡させるよう迫っていたことが判明。政財界に顔のきく「石油マフィア」と共謀していたことを裏付ける音声記録も暴露された。数々の不正疑惑を闇に葬ってきた有力政治家だが、党内の対立派閥の圧力も受け苦境に立たされている。
 スディルマン・エネルギー鉱物資源相は16日、国会査問委員会に証拠を提出、「国会議員の倫理に反する行為」としてスティヤ氏の喚問を求めた。
 同相によると、スティヤ氏はこれまで数回にわたりフリーポート幹部と接触し、独自に契約更新に絡む交渉を進めてきた。6月の会合では2041年までの操業を約束。その見返りとして株式20%を要求し、大統領に11%、副大統領に9%を充てるとした。
 スティヤ氏らには、パプア州ウルムカの水力発電所建設計画で株式49%を要求。民間主導の同事業は売電先が決まらず中断していたが、最近になりフリーポートが参画する意向をエネ鉱省に伝えてきたという。
 この会合にはスティヤ氏のほか、フリーポート・インドネシア社のマルフ・シャムスディン社長(元国家情報庁副長官)、石油マフィアとされる実業家レザ・ハリッド氏が出席。この時の会話の音声記録をスディルマン・エネ鉱相が入手し、ジョコウィ大統領やカラ副大統領に報告した。
 カラ副大統領は「株式を要求したことなどない」と反論。裏交渉に名前が使われたことについて「大統領も激怒している」と話した。疑惑発覚後、スティヤ氏はカラ氏と面会し、フリーポートの要請を受け幹部と面会したと釈明したが、正副大統領の名前を使ったり株式譲渡を要求したりしたことはないと否定している。 

■大統領が警告
 3者会合の会話はフリーポート側が録音したとみられる。会話では、レザ氏がルフット・パンジャイタン政治・法務・治安調整相やダルマワン・プラソジョ大統領府幹部の名前にも言及し、契約更新の交渉を進める政府の仲介者であるかのように振る舞っている。
 地元メディアが大統領府高官の話として伝えたところによると、ジョコウィ大統領は、フリーポート側がスティヤ氏らに非公式に交渉を持ち掛けているとの報告を受け、10月6日、米国からフリーポート・マクモラン社のジェームス・モフェット代表取締役を呼び出した。イスタナ(大統領宮殿)で会談し、大統領は「あなたが誰と会ったのかは関知している。すぐに(会うのを)やめるべきだ。(交渉相手は)私とスディルマン(エネ鉱相)のみだ」と明言したという。
 内紛がくすぶるゴルカル党では、スティヤ氏が所属するバクリー派と対立するアグン・ラクソノ派が攻勢を強めている。アグン派のプリヨ・ブディ・サントソ元国会副議長は「密会が事実だとすれば一大スキャンダルだ」と強調。国会だけでなく、所属政党の信用失墜にもつながるとの懸念を表明した。(配島克彦)

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