アート部門で高評価 パン作り大会アジア予選 イ・チーム出場ならず

 パン作りの技術を競う世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジェリー」のアジア予選となる「ルイ・ルサッフル・カップ」が11〜14日、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で開かれた。インドネシアとベトナム、韓国、中国、オーストラリアが参加。上位2カ国の中国と韓国が世界大会出場を決めた。3位以下の発表はなかった。 

 同大会では前日の仕込みに2時間、当日8時間の計10時間でバゲットやデニッシュなどを作製。味や色、形などが審査対象となる。インドネシアチームは23種のパンを作った。自国の伝統・文化がテーマのアート部門では、屋根や敷物、結婚式などの祝い事の飾りから普段の料理にまで使われている、インドネシア人にとってなじみのあるヤシの若い葉「ジャヌール」をモチーフにした作品を仕上げた。
 イ代表チームのコーチを務めたのは森浩輔さん。森さんは日本で14年間パン職人としてホテルに勤務し、現在は日本食スーパー「パパイヤ」のベーカリー「小麦」で働く傍ら、インドネシアで日本のパン作りの技術を教えている。
 インドネシアでは、小麦粉の中でもパンやうどんなどに使用する中力粉を使う食文化がなく、ほとんどが薄力粉と強力粉を使用。そのため中力粉を用いるバゲットや、バターを多く使う原価の高いパンは作る機会が少なく、教えるのが難しかったという。
 森さんは「さまざまな製法を見せ、一緒に試行錯誤を重ねることで、味も色も格段に良くなった。アジア予選ではこれまで知らなかった世界中のパン作りを見て、チームにとって大きな刺激になったと思う」と話した。
 同予選では、アート部門とバゲット部門への評価は高かったが、手際の悪さや調理後の片づけなどがマイナス評価となった。イ代表チームの1人、ヘリ・サイプル・バフリさんは「もう少し練習したかったし、今回は悔いが残った。また出場できるようこれからも頑張りたい」と振り返った。
 「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジェリー」は4年に1度、開かれる世界大会。前回2012年の優勝国である日本、2位の米国、3位の台湾は予選には参加せず、シード国として来年2月にパリで開かれる世界大会へ出場。12カ国が競い合い、世界一を決める。(毛利春香)

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