残虐行為 強く非難 ジョコウィ大統領 パリ同時多発テロ 「イスラム代表しない」

 パリで13日に起きた同時多発テロを受けて、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は「インドネシア政府と国民は暴力と残虐な行為を強く非難する」との声明を発表した。国内のイスラム団体も「テロはイスラムを代表するものではない」との声明を相次いで発表。国内ではテロを警戒するとともに、フランスに連帯を示す動きが広がっている。
 ジョコウィ大統領は14日、トルコで開かれたG20サミット出発前、「暴力の犠牲者とフランス政府、フランスの人々に深い哀悼の意を表する」と述べ、「テロに対処する国際的な連携を強化するよう促す」と強調した。 
 イスラム学者会議(MUI)最高顧問会議のディン・シャムスディン議長は「どんな動機があるにせよ、多くの罪のない人々の命を奪う攻撃は正当化されるものではない」と非難した。 
 国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)のサイド・アキル・シロジ議長は「NUはテロを教える宗教などないと断言する。テロに宗教的な根拠はない」と強調。国内第2の団体ムハマディヤのハイダル・ナシル議長は「事件の背後にどんな組織があり、イスラムを名乗っていようと、イスラムを代表するものではない」との声明を発表した。 
 バドロディン・ハイティ国家警察長官は欧州や米国、オーストラリアの大使館の警備を重点的に強化するする方針を表明。事件とインドネシアのテロ組織との関連も捜査するとした。 
 コリーヌ・ブルーゼ駐インドネシア・フランス大使は記者会見を開き、学校や政府機関など全てのフランス関係機関の警備を強化すると表明した。 
 中部ジャワ州マグランのボロブドゥール寺院では地元アーティストが寸劇を通して犠牲者を追悼、フランスへの連帯を示した。同州ソロのカーフリーデーでは、同時多発テロの犯行声明を出した過激派組織イスラミック・ステート(IS)について「ISはイスラムではない」などと書かれたプレートを掲げた人々が行進した。  
 テロでインドネシア人の死傷者は報告されていない。(堀之内健史)

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